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「ハロルドとモード」(天王洲銀河劇場) 西島隆弘 村上幸平 川久保拓司 [演劇]

【物語】
 19歳のハロルドはうんざりしていた。大人たちは、自己中心的で、振り向いてくれない。ハロルドは、母親の関心をひきつけようと、自殺のまね事を繰り返し、精神科医の診察を受けていた。
 ある日、ハロルドは、教会で老婦人モードと出会う。彼女は、不思議な女性だった。無邪気で、正直で、元気いっぱいに生きている姿に、次第に心惹かれていく。
 一方、母親は、ハロルドを結婚させようと、花嫁候補を次々と引き合わせるが、ハロルドの狂言自殺に驚いて、みんな逃げて去ってしまう。
 ハロルドは、モードにますますのめり込む。モードは、常識が全く通用しない、誰にも束縛されない女性だった。神父に諭されても、警官たちに注意されても、自由気ままな生き方を貫いていた。自然を愛し、生命を愛し、陽気に歌い踊る。バンジョーの弾き方、ワルツのステップまで、何もかもモードが教えてくれた。やがて、二人は一夜を共にする。
 モードの誕生日。ハロルドは、結婚の決意を母親に打ち明けるが、非難される。もう誰にも邪魔されない、と家を飛び出すが、モードは息を引き取ろうとしていた。
 「もっと愛するのよ。」そう言い残して、モードは旅立っていく。ハロルドは悲嘆にくれつつ、バンジョーを奏ではじめるのだった…。

【作】 コリン・ヒギンズ
【訳・演出】 青井陽治
【出演】 浅丘ルリ子/西島隆弘(AAA)/村上幸平/川久保拓司/本田有花/小野香織/増田雄一/大堀こういち/杜けあき
【日程】 6月19日(木)~29日(日) 14ステージ
  ※20日(金)、24日(火)は、終演後に主な出演者によるトークショーがあります。
【会場】 天王洲銀河劇場
【料金】 S席¥7,800(税込み)/A席¥5,000(税込み)
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【コメント】
 昨年9月、東池袋、あうるすぽっと(約300席)の柿落とし公演で、三浦涼介くんの「ハロルドとモード」を拝見しましたが、今回は西島隆弘くんの「ハロルドとモード」です。
 モード役が浅丘ルリ子さんですし、訳・演出が青井陽治さんなので、原作は同じでも、かなり違った印象の作品になってます。
 また、主役が共に歌手としても活躍している西島隆弘くんと浅丘ルリ子さんなので、歌があるかと思いきや、ほぼ完全なストレートプレイでした。「ハロルドとモード」を青井陽治さんが訳・演出すると、こんな感じになるんだなぁという内容でした。

 ハロルドの母親役、杜けあきさんがなかなか良かった。変わり者の息子のハロルド(西島隆弘)と良いコンビ、この親にして、この子有りという感じでしょうか。
 一方、浅丘ルリ子さんが演じるモードは、やや悪者という感じが強いかも。79歳なら、年寄りなら、何をやっても許されるというものではないということをちょっとだけ感じさせます。19歳の小娘が神父の車を盗んで乗り回したり、他人の留守宅に勝手に住み込んだり、家具の支払いを踏み倒したりしたら、アザラシを動物園から盗んだりしたら・・・、世間は許さないし、絶対に可愛いとか、チャーミングとかは言わないでしょう。

 「ガンまげ」で與真司郎くんも頑張ってはいたけど、西島隆弘くんの方が芝居は巧いかも。三浦涼介くんのハロルドよりも、西島隆弘くんのハロルドの方が良いかな。
 演出の違いでもあるが、三浦くんのハロルドは本当に死にたがってる少年という感じだった。
 西島くんのハロルドは、死ぬ気などはさらさら無くて、むしろ高い木の上から落ちて怪我をするのを怖がるような感じの少年、自殺ごっこは、あくまでも母親の気を引くための芝居であって、単なるメカ好き、仕掛けマニアのマザコン坊ちゃんと感じでした。でも、それ故に、歳はかけ離れていても理想の母親?、モードに惹かれるのかなと言う感じです。 

 川久保拓司さんの神父、村上幸平さんの精神科医も、なかなか面白い。勝手に話を作って良いのなら、精神科医はハロルドの母親と恋仲、神父はハロルドに片思い、というような設定にすると、面白いかも・・・。(青井さんの演出の中では、案外、こういう裏設定なのかも。)
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