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マリア・マグダレーナ来日公演「『マグダラなマリア』~マリアさんのMad (Apple) Tea Party~」(シアターアプル、新宿) 湯澤幸一郎、藤原祐規、齋藤ヤスカ、津田健次郎 [演劇]

【解説】
 数々の舞台で活躍してきた俳優・湯澤幸一郎がプロデュースするウィーンの高級娼婦マリア・マグダレーナ。
 彼女を主役に、湯澤幸一郎が太鼓判を押す個性派俳優たちが集結!
 芝居・歌・トークなどなど、大人なお嬢様限定(!?)のエロティシズムと耽美にあふれた舞台!!

【物語】
 ウィーンの娼館、魔愚駄裸屋の主にして、歌手であり、女優であり、自らも高級娼婦であるマリア・マグダレーナ(湯澤幸一郎)は、初の来日公演への準備に余念がない。
 しかし、日本に送り込んだ電々通クリッパラ(藤原祐規)の報告により、日本でのマリアの知名度がゼロに近い事が判明!
 さらに、ウィーンに帰国したクリッパラと共に日本から紛れ込んで来たサムライ(市瀬秀和)が魔愚駄裸屋で大暴れ。
 そんな騒ぎの中で進むマリアの暗殺計画・・・、そして、執事(小林健一)の急病。
 マリアは、娼婦たち(津田健次郎、齋藤ヤスカ、米原幸佑)や常連客の男爵(KENN)、それに小間使い(永嶋柊吾)とサムライにクリッパラを引き連れて、日本へ。
 果たして、マリアの来日公演は成功するのか? マリアは無事にウィーンに帰れるのか? マリア暗殺計画の黒幕は?
 マリアさんのMad (Apple) Tea Party~の幕開け!

【期間】 2008年11月12日(水)~16日(日) 全9回公演
【劇場】 シアターアプル (新宿)
【脚本・演出】 湯澤幸一郎
【美術】 丸尾末広
【出演】 マリア・マグダレーナ(湯澤幸一郎) KENN 市瀬秀和 小林健一(動物電気) 米原幸佑(RUN&GUN) 永嶋柊吾 藤原祐規 齋藤ヤスカ 津田健次郎
【料金】 5,800円(全席指定/前売・当日共/税込)
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【感想】
 無駄にハイレベルな歌唱劇という表現どおりの舞台でありました。さすがに1回、5万円の値打ちは無いと思いますが、帝劇のミュージカル並みに1万3千円ぐらいの価値はあるでしょう。もう少し歌曲が多ければ、「夜会」並に2万円の価値があるかも。いずれにしても、初日から楽日まで、毎日1回ずつ、計5回(計29,000円)ぐらいなら、お金を払って観に行っても良かったかと思う。

 幕開け前、冒頭のハンス(永嶋柊吾)の歌は、なかなか良かったのだけれども、10月のcaccinica演奏会で、湯澤さん自身が歌い上げるのを聞いてしまっていたので、初日に聞いたときには、さすがに、ちょっと頂けなくて、これがあの曲?、と思ってしまった。それでも、4日目に聞いたときは、ああ同じ曲だ、と思えるようになっていたから、永嶋くんの才能もなかなかのものです。
 芝居も、前回、観た「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」の時に比べて、随分と、こなれてきた感じがして、今後が楽しみです。何しろ、まだ10代、齋藤ヤスカくんを年増扱いする歳ですから。(10代と言えば、「ガラスの十代」か?)

 今回、驚いたのが齋藤ヤスカくんの女装です。本人も気に入っているようですが、あれほど似合うとは思いませんでした。「テニスの王子様」の時は、ショートパンツで細い足を晒すのが恥ずかしいと言っていましたが、今回は、細くて長い手足がとても綺麗でした。同じく娼婦ローズマリーを演じる米原幸佑くんが骨太、筋肉質で、手足が太いだけに、余計に女っぽく、娼婦っぽく見えてました。
 それに、意外と歌が上手いのにも驚きました。齋藤ヤスカくんは、こんなに歌える役者だったっけ?、アクション俳優じゃなかったの?、という感じでございました。さすがに、湯澤さんが目を付けただけのことはあります。
 芝居の方も、性悪な淫売女を明るくお茶目に演じてくれました。劇中、一番の悪役ですけど、美人は何をしても許されるという感じでありました。自分の若さと美しさを知っていて、それを利用することに何の躊躇いもない身勝手で我が儘な娼婦クララ(齋藤ヤスカ)。そのクララに唯一、興味を持たない、年上嫌いのハンス(永嶋脩吾)。しかし、そのハンスも最後にはクララとキスしてしまう・・・。なかなかに魔性の女でございました。

 一方、津田健次郎さんが演じる娼婦グレースは、まさに大人の女です。ノーテンキで抜けてるところのあるマリアに代わって、魔愚駄裸屋の実質的な主人みたいな役どころです。「グフフ」という笑い方が素敵でした。

 KENNくんは、所詮は、お坊ちゃんの男爵。最後は、クララに騙されて、無一文という、とんだ道化の役です。芝居はともかく、歌はなかなかお上手です。

 市瀬秀和くんと小林健一さんは、ほとんど歌わなかったと思いますが、それぞれ、とつても諄い演技とパフォーマンスで楽しませてくれました。特に小林さんは、幕間で「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」の時、以上に弾けていらっしゃいました。市瀬さんの黒田節も、なかなか宜しいかと思います。

 米原幸佑くんは、意外と女装が似合わないと言うことが分かりました。小柄で可愛い顔をしているのですが、骨太と言うよりも筋肉質なので、ドレスを着ると女の子に見えません。逆に身長がもっとあれば、大柄な女という感じで、多少、筋肉質でも良いのでしょうが、この辺りのバランスは難しいところです。あるいは、ボーイッシュな格好をしたら良かったのかも・・・。
 歌も思ったほどではなく、期待していた割には、ちょっと残念でした。やはり、吉本興業の人使いが荒過ぎるのでしょうか。
 芝居も、ちょっと態とらしくて、今一でした。10月の「YooSoRo!~日本を変えたヤツらを変えたヤツら~」の時は、なかなか良かっただけに、残念です。女性と言うことを意識し過ぎたのでしょうか。

 最後に、今回、初めて芝居を観ましたが、藤原祐規くんは、なかなか面白い役者です。声も動きも悪くないし、次回は、コメディではないシリアスな芝居を観てみたいところです。
 ところで、藤原くんは、シアターブラッツで公演中の「MURAISM」に出演しているYOHくんと、ZEROというユニットを組んで活動しているようです。12月7日(日)にクリスマスイベントをするそうですが、残念ながら、都合が付かないので、来年の「君の先」辺りで拝見させて頂きたいと思います。
 と、ここまで書いていて、YOHくんは、根本正勝くん、中村誠治郎くんらと共に神楽党であったことに気が付きました。中村くんは、YOHくんのスーツ姿を見て大笑いしたそうですが、あれはスーツを着ていなくても笑えます。

七面鳥

七面鳥

  • アーティスト: 湯澤幸一郎,福嶋俊
  • 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
  • 発売日: 2004/12/08
  • メディア: CD



赤いカバン

赤いカバン

  • アーティスト: Caccinica,Caccinica,湯澤幸一郎,沢田完,堀米拓哉
  • 出版社/メーカー: ネオプレックス
  • 発売日: 2003/04/16
  • メディア: CD



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コメント 4

たける

はじめまして。
私もヤスカちゃん(?)は意外と歌えるんだぁ~と思いました。
きれいだったぁ~。役作りを楽しんでる感じもよかったです。
米原くんは、お馬鹿なロリータと思ってたので、可愛いと思います。
柊吾くんは、今度は女装も見てみたいと思える子でした。
チラシを見て直感で観に行ったのですが、ズット観ていたいと思える芝居でした。

by たける (2008-11-21 08:38) 

frhikaru

たけるさん、コメントありがとうございます。
この舞台のメインは、マリア(湯澤幸一郎)さんの歌(カウンター・テノール)ですので、次回は、そちらも是非、ご堪能下さい。
by frhikaru (2008-11-24 00:48) 

たける

コメント返しありがとうございます。
再度失礼します。
湯澤さんの歌をゆっくり聞きたいのですが、CDなどの入手法方が分からず困っています。演奏会も都合がつかず行けません。
美術の丸尾さんの情報もなかなか入手できずにいます。
いつかこちらでお話が聞けると嬉しいのですが・・・
ナンカ図々しいですね。ホント、ご無礼お許し下さい・・・。

by たける (2008-11-25 15:31) 

frhikaru

湯澤さんのCDの広告をリンクしておきました。
amazon.comでも買えますので、お気に召しましたら、是非、どうぞ。
by frhikaru (2008-11-25 23:56) 

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