SSブログ

映画「2 STEPS!」(池袋) 中河内雅貴、古川雄大、加藤良輔 [映画]

【物語】
 ダンスが大好きな斑鳩隼人(中河内雅貴)は、かつてのミュージカル女優で、今はアルコール依存症に陥っている母・雪乃(根岸季衣)から遠ざかるようにアパートで一人暮らしをしている。メッセンジャーのバイトに日々励む隼人は、かつてストリートダンスを一緒に踊っていた先輩の須藤数馬(進藤学)のトラブルに巻き込まれて、人相の悪い男たちに追いかけ回される羽目になる。その時、隼人が逃げ込んだのはダンス・パフォーマンスが上演されている劇場だった。
 ヴァイオリンとクラシッシクバレエが得意な結城巧(古川雄大)は、音楽大学の教授でピアニストの父・尚也(五代高之)と優しい母(本田愛子)、そして、可愛いが、おませで生意気な妹(花凛)という、音楽と愛情に溢れた家庭で暮らすお坊ちゃんの高校生。クラシック一辺倒で、普段笑うことのない厳格な父は巧が音大へ進学することを期待している。
 ある日、巧はジャズ・ピアノとダンスがコラボレーションしたパフォーマンスのチラシを見つける。そのパフォーマンスのピアニストは結城尚也、ダンサーは斑鳩雪乃。興味を抱いた巧が、劇場に赴き目にしたものは、バレエとは異なるダンスの世界だった。
 隼人と巧はダンス・カンパニーのオーディションを受ける。周りの人のダンスを意識しつつ、激しく踊る隼人とバレエのステップを自分なりにアレンジして踊る巧。
 全く違うダンスを披露した2人は見出され、ライバルとしてステージの本番を目指すことになる。

【監督・原案・振付】 上島雪夫
【脚本】 松井亜弥
【出演】 中河内雅貴、古川雄大、進藤学、加藤良輔、春川恭亮、宮野真守
【公開日】 2009年1月10日
【配給】 「キラキラ MOVIES」、ゴー・シネマ、2008年、日本
----------------------------------------------------------------------------------------------------
【感想】
 ミュージカル「テニスの王子様」(通称テニミュ)の成功で、演出家としての地位を確立しつつある上島雪夫さんが映画監督に初挑戦した作品です。テニミュの人気キャスト経験者を取り揃えて、興行的に失敗しないラインを押さえる辺り、芸術家と言うよりも商売人という感じがします。
 また、出演者が入れ替わり立ち替わりで、毎日のように舞台挨拶を繰り返して、客を集める手法には、映画を観に来る客よりも、舞台挨拶を見聞きしに来る客の方が多いのではないかとさえ思ってしまいます。
 とは言え、映画としての出来は、それほど悪くありません。

 同じダンススタジオに通う2人の若いダンサー。性格も育ちも違い、ダンススタイルは正反対。
 実際に、長野県の同じダンススクールに通っていた中河内雅貴くんと古川雄大くんを主演にして、半ば実話、半ばフィクションで描く青春ダンス映画です。

 でも、本当は、大澄賢也さんや宮本亜門さんらと上島雪夫さんの物語かも知れません。若い頃、ダンサーとして共に踊った人たちが10年、20年の時を経て、再び巡り会うという感じでしょうか。
 そういう目で観ると、なかなかに面白い映画です。

 それにしても、中河内雅貴くんは、台詞の言い方を何とかしないといけません。ストレートプレイ初挑戦の「リンゴの木の下で~21世紀のジャズ」が酷かったのはやむを得ないとしても、その後の「博士と太郎の異常な愛情」、「SAMURAI 7」、We舞台「夢をかなえるゾウ」と、どれもこれも今一です。
 「SAMURAI 7」の時など、姿形や動きは7人のサムライの中で、ピカ一なのに、台詞を喋ると・・・、黙って身体で表現した方が良いんじゃないと思ってしまいます。
 「ピピン」で見せた迫力のある動きなどは、全く持ってダンサーに向いているとは思うのですが、俳優としては、これからが大変ではないかと思います。今回、映画、初出演ですが、今後の成長に期待しましょう。
 とは言え、何のかんのと言いつつ、「ALTAR BOYZ」もミュージカル「シラノ」も観に行く予定です。

 一方、古川雄大くんは、まさに中河内くんとは対照的です。力強く激しい踊りの中河内くんに対して、優しく美しい踊りです。機会があれば、古川くんの激しい踊りというのも観てみたいものです。
 半ばコスプレ大会であったTV&舞台「風魔の小次郎」は、ともかくとして、馬場徹くんと共演した映画「キズモモ」(山本透監督)は、なかなか良かった。バスケットボールのシーンはあったけど、ダンスのシーンはなく、やや捻くれた若い時計職人を演じてくれました。
 今回も多彩な表情と表現で、楽しませてくれました。中でも、隼人(中河内)に対して、巧(古川)がいう「自主練だろ!、お前だけかよ!」というセリフと、その時の目付きがなかなか良かった。「キズモモ」の時も、馬場くんに「(時計に)触るな!」と怒鳴るシーンがあったけど、普段は大人しく、とても怒りそうにないけど、何かに強いこだわりを持っていて、怒った時は、とても怖いという時の迫力がなかなか良かった。

 ダンサーとしては、中河内くんの方が上だと思うが、俳優、そして、歌手・アーティストとしては、古川くんの方が上へ行きそうな気がする。そう言う意味では、二人は良いライバルになれるのかも知れない。

 ところで、ダンススクールの一員に宮野真守さんが入っていますが、さすがに、中河内くん、古川くん、加藤良輔くんらと同じレベルで踊れる筈もなく、そうそうに脱落して、コンビニ社員になってしまいます。そして、次の映画「花ゲリラ」へと繋がり、さらに、コンビニのバイト青年として、馬場徹くんが出演するようです。
 それにしても、加藤良輔くんは、中河内くんよりも歌が上手いと思うのだけど、歌手としてのメジャー・デビューは難しいかな。

nice!(0)  コメント(4)  トラックバック(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

コメント 4

なお

こんにちは。いつも楽しく読んでいます。

ところで加藤良輔くんは昨年RSK名義でCD発売されていますよ。
たぶんBambooの通販でしか売っていないようなので、歌手デビューと言えるかは分かりませんが。
by なお (2009-01-13 20:12) 

frhikaru

なおさん、情報、ありがとうございます。
確かに、Bambooのサイトのみの通販のようです。公演会場でも見掛けたことはありませんが・・・。
http://bam-boo.biz/goods/index.html
「RSK」というのは、RyouSuKe ということでしょうか。
今度、聞いてみます。 
by frhikaru (2009-01-13 21:59) 

まき

はじめまして。
鋭い感想など日頃より参考にさせていただいています。

中河内君,まだまだですか・・・。
う~ん,手厳しい。
私も彼の演技は決して上手くはないとは感じていましたが,それでも以前に比べれば少しずつ良くなってきていると思いますよ。
時々はっとするようないい表情をするようになったと思います。
(「ゾウ」や「2STEPS」は配役に助けられている部分も大きかったでしょうが。)

観ていて華がある方だと思いますし,本人はとても努力家のようなので,これからも伸びていって欲しい方の一人です。
by まき (2009-01-30 17:41) 

frhikaru

まきさん、コメントありがとう。

中河内くんには華(人を惹き付ける魅力)があるので、いずれは主役が務まるようになると思います。

ただ、ダンサーになるのか、歌手・アーティストになるのか、俳優になるのか、多少は目標を絞らないと、どれもこれも中途半端に終わるのではないかと心配しています。

by frhikaru (2009-01-30 20:54) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。