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「桜 SAKURA サクラ」(前進座劇場、吉祥寺) 兼崎健太郎 齋藤ヤスカ 渡辺大輔 林野健志 手打隆盛 [演劇]

【解説】
 それぞれ映画監督が主宰する3つの劇団、劇団CORNFLAKES、劇団DOGADOGA+、劇団野良犬弾による「桜」をテーマにしたオムニバス公演です。舞台中央に樹齢数百年の満開の桜の木を配して、物語が展開します。
 第一幕は、和風の時代劇ということで、漢字の『桜』、第二幕は、洋風のメルヘンということで、アルファベットの『SAKURA』、第三幕は、現代の青春劇、主人公は漢字が書けないので、カタカナの『サクラ』となります。

【演出】 第一幕「鬼桜」 堀江慶(劇団CORNFLAKES)、第二幕「偽作・桜姫吉祥草紙」 望月六郎(劇団DOGADOGA+)、第三幕「SAKURA MEMORY TIPS」 入江悠(劇団野良犬弾)
【出演】 齋藤ヤスカ 林野健志 綿引大介 兼崎健太郎 高原知秀 渡辺大輔
 [劇団 コーンフレークス] 加藤裕月 岡優美子 手打隆盛 山形啓将 中島章博 木村里見 八木橋里紗 湯元真由 荻田丸美 吉本輝海 平吹正名 逸見宣明 五十嵐雅
 [劇団 DOGADOGA+] 戸田佳世子 浦川奈津子 黒沢美香 Kumico 松本都 草野速仁 橋口裕 奈良坂篤
 [劇団 野良犬弾] 千葉尚之 佐藤良洋 山田百次 和木亜央 神代宏人 森永雅幸 植田靖比呂 戸田悠太 深井邦彦 小島竜太 吉見麻美 藤代麻美 澤木柚季江 増田久美子 三浦麻美 木村真奈美
[DANCER] 青戸郁恵 赤岩和子 岩田香奈子 大畑佳奈恵 岡田早百合 加倉井久里朱 田辺恭子 仲里未央 中田有紀 前田絵美
【日程】 2009年3月25日(水)~31日(火)全11公演
【会場】 前進座劇場(吉祥寺駅公園口徒歩12分)
【料金】 全席指定 S席7,500円(スペシャルトーク+生写真2枚付) A席5,500円
【公式HP】 http://sai316.com/
sakura.jpg
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【コメント】
 開演間際に一幕と三幕が入れ替わったり、一幕の主演の2人、齋藤ヤスカくんと林野健志くんの配役が入れ替わったりと、幕が上がるまで何かと大変だったようです。堀江慶さんは「体感季節」の時に、パンフレットに掲載されているストーリーと全然違うストーリーで本番の舞台を上演したという前科がありますから、多分、直前まで脚本を書き換えていたのでしょう。

 さて、テニミュのキャスト人気に頼って、年度末の資金集め公演かと思いきや、各劇団とも意外と真面目に取り組んだ作品でありました。これなら、オムニバスにせず、3劇団、別々に公演しても十分に客が集まったのではないかと思います。

 公式サイトのストーリーが脚本変更により、削除されているので、以下、ストーリーと共に、それぞれの幕ごとに簡単に感想等を書いておきます。
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第一幕「鬼桜」
【作・演出】 堀江慶
【出演】 齋藤ヤスカ 林野健志 綿引大介 こんどうえみこ 劇団CORNFLAKES ほか
【物語】
 兄嫁殺しの嫌疑で死罪にされることとなった足柄(神奈川)の同心のミキスケ(斎藤ヤスカ)は、上役の与力(綿引大介)の計らいにより、罪を赦される代わりに、幕府に対する謀反人、小太郎(林野健志)の首を持って来いと命じられる。
 ミキスケは初め、妻のことよ(加藤裕月)と共に下総(千葉)へ逃げようとするが、結局、同じく罪人の主家殺し(山形啓将)や盗人(岡優美子)、それに同心(手打隆盛)らと共に、小太郎を討つことになる。
 しかし、小太郎は、この世のものではなく、ミキスケの心の奥底に棲む鬼であった・・・。
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【感想】
 身長193センチの林野健志くんがあまりに大きいので、当初の予定を逆にして、斎藤ヤスカくんがミキスケを、林野健志くんが小太郎を、それぞれ演じることになったということですが、この配役は入れ替えて正解でしょう。
 林野くんの演じる小太郎は、この世のものとは思えない感じで、とても良い。また、番傘を頭にぶつけたり、「ことよ・ジャパン」と叫んだり、お茶目なアドリブも林野くんらしくて面白い。斎藤ヤスカくんが小太郎を演じたら、多分、真面目になり過ぎると思う。
 3幕の中で、芝居としては「鬼桜」が一番面白い。
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第二幕「偽作・桜姫吉祥草紙」
【作・演出】 望月六郎
【出演】 兼崎健太郎 高原知秀 瀬名純 橋爪拓 小島竜太 村田麻衣子 植松愛 桜井ふみ 劇団DOGADOGA+ ほか
【物語】
 チビのバスガイドがバスの運転手(兼崎健太郎)に轢かれて、意識不明の重態となる。彼女は3日3晩、眠り続けている間、同じくバスガイドだった母や運転手だった父、その他、諸々の同僚らが出演する夢を見る。
 その夢には、白雪姫、シンデレラ(灰被り姫)、不思議の国のアリス、ラビット、白馬の王子(兼崎健太郎)、黒タイツの公爵Duke(瀬名純)と男爵Baron(橋爪拓)、悪魔or死神(高原知秀)、気鬱な女王様、色呆け王様らが登場し・・・。
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【感想】
 兼崎健太郎くんが白いタイツ姿で舞台を走り回ります。一人だと恥ずかしいかも知れませんが、お供の二人、瀬名純くんと橋爪拓くんも黒いタイツ姿ですから、心強いことでしょう。
 本来のおとぎ話は、意外と残酷で、エロっぽいと言うことを思い出させてくれるような、下ネタ満載、最後は、父と娘の近親相姦というハチャメチャな内容です。
 第一幕とは打って変わって、ストーリーの余りの馬鹿馬鹿しさに、呆れ返ってしまいますが、馴れる、結構、楽しめます。
 劇団DOGADOGA+の作品を観るのは初めてですが、いつもこんな調子なのでしょうか。下北沢の小劇場ならいざ知らず、前進座劇場で上演するようなレベルの作品ではないと思いますが、とにかく楽しめます。
 芝居の合間のダンスも、物語の展開との間に違和感や無理がなく、とてもスムーズな感じなのも好感が持てます。
 3幕の中で、エンターテイメントとしては「偽作・桜姫吉祥草紙」が一番楽しい。
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第三幕「SAKURA MEMORY TIPS」
【作・演出】 入江悠
【出演】 渡辺大輔 高原知秀 斉木隆行 藤沢瀬里菜 加藤純奈 石井明日香 生尾佳子 劇団野良犬弾 ほか
【物語】
 卒業以来10年振りに集まった中学の元同級生ら(渡辺大輔、増田久美子、戸田悠太ほか)が懐かしい桜の木の下に集まり、写真を撮ろうとする。
 しかし、そこには既に右翼団体の面々、三代目(千葉尚之)、支部長(吉見麻美)、若頭(高原知秀)らがいて、同じく桜の花の写真を撮ろうとしている。桜の花の写真を巡って、彼らが諍いを始めているところに、この桜の木を切って、付近一帯を開発しようという建設会社の部長(斉木隆行)らが現れる。
 元委員長のサハラ(渡辺大輔)は10年前、桜の木の幹に同級生に当てたラブレターを隠していて、それを守るために、桜の木を切ることに反対する。その心意気に共感して、右翼の面々も桜の木を守ろうと立ち上がり、最後は、建設会社の部長も転向して、桜の木は守られることになるのだが・・・。
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【感想】
 さすがに、開演から2時間が経過しての3幕目は疲れます。しかも、前2幕とは全く関係のない芝居を一から観る気力は、なかなか沸きません。
 また、桜の木が切られずに済む経緯というのも、ややご都合主義的で、現実離れしているので、ちょっと違和感があります。むしろ、隠して置いたラブレターが取り出されてしまい、春が終わって桜の花が散ったので、最後に桜の木が枯れるか、切られるかして、全3幕、一巻の終わりという大団円でも良かったように思う。どうせ、老い先短い、桜の木なのですから。
 そういう意味で、渡邊大輔くんやが高原知秀さんが頑張っている割には、やや物足りない第三幕でありました。
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スペシャルトークショー
【出演】
 27日(金)夜 齋藤ヤスカ 林野健志 綿引大介 加藤裕月 岡優美子 手打隆盛 山形啓将 村田麻衣子
 28日(土)昼 兼崎健太郎 渡辺大輔 高原知秀 千葉尚之 斉木隆行 吉見麻美 増田久美子
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【感想】
 毎回公演ごとに、有料(2,000円)のトークショーがあります。劇団CORNFLAKESの面々が登場する27日(金)夜と、劇団野良犬弾の面々が登場する28日(土)昼の2回、行ってきました。
 27日の司会は、齋藤ヤスカくんと林野健志くん28日の司会は兼崎健太郎くんと渡辺大輔くんでありました。

 27日は、司会の二人が割と旨くまとめ、すべての出演者が満遍なく喋ってくれたので、なかなか良かったのですが、28日は、司会の二人ばかりが喋る感じになってしまったのは残念でした。
 兼崎くんが劇団野良犬弾の面々と、ほとんど面識がないので、絡みにくく、話題が振りにくかったのでしょう。渡辺くん一人では、切り盛りしかねたと言うことでしょうか。

 一方、27日のメンバーは、第2幕の劇団DOGADOGA+に出演している村田麻衣子さんも「しあわせになりたい」で手打さんらと共演していますし、司会の二人も含めて、劇団CORNFLAKESの公演参加経験者ばかりだったので、全体に話がまとまったという感じでした。

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