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映画「Sweet Rain 死神の精度」(MOVIX) 金城武、小西真奈美、石田卓也、黒田耕平 [映画]

【物語】
 人間の最期をプロデュースする、それが、死神の仕事
[職業] 死神。不慮の死を遂げる予定の人間を7日間、観察し“実行”(死)か、”見送り“(生かす)か、を決める。
[特徴] 雨(雨男でない死神もいる。雪男もいるらしい?)と、白い手袋(死神に素手で触られた人は気絶する。)と、黒い犬(上司?)
[趣味] ミュージック鑑賞(CDショップには死神が沢山いるらしい・・・)

 死神の千葉(金城武)が現れるのは、人間が不慮の死を迎える7日前。
 仕事はさっさと済ませ、CDショップで“人類最大の発明品“として愛するミュージックを試聴するのが彼の最大の楽しみ。今日も雨の中、彼は待っていた。7日後に死を遂げることになっている新しいターゲット、藤木一恵(小西真奈美)。電機メーカーの苦情処理係。仕事を終え疲れ果てた彼女が会社から出てきた。さあ、千葉の仕事の始まりだ・・・

【原作】 伊坂幸太郎/著 「死神の精度」
【監督】 筧昌也
【出演】 金城武、小西真奈美、富司純子、光石研、石田卓也、村上淳、奥田恵梨華、吹越満、黒田耕平
2007年/日本/カラー/113分/
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【感想】
 黒田耕平くんが出演するというので、観てきました。黒田くんは、藤木一恵(小西真奈美)を襲う不良の一人、千葉(金城武)を殴りますが、千葉は死神なので、痛くもかゆくもなく、逆に気絶させられてしまうという役でした。
 思いの外、面白い、泣ける映画でありました。特に、藤木一恵が息子(石田卓也)を手放した理由や孫に会わない理由は、なかなか泣けます。
 金城武さん演じる死神の天然ボケぶりも、小西真奈美さん演じる藤木一恵のピント外れも、なかなか面白い。
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映画「ブラブラバンバン」 安良城紅、福本有希、足立理、岡田将生、近野成美、徳永えり、若葉竜也、柳下大 [映画]

 この映画が撮影されたのは2006年10月~12月、年明けに編集作業をして、2007年3月には映画そのものは完成していたらしい。
 しかし、映画が完成しても上映館を確保するのは大変なようで、結局、1年かがりで、2008年3月に、ようやく全国ロードショーにこぎ着けたという労作です。

 ちなみに、柳下大くんが主人公らと同じ根戸ヶ谷高校ブラバン部の一員(その他大勢)として出演していますが、台詞はありません。
 柳下くんは、2006年9月に第3回D-BOYSオーディションでグランプリを受賞した直後、同年12月にD-BOYSに加入するまでの間に、オーディションで選ばれて出演したようです。
 撮影時点では「テニスの王子様」にも出演しておらず、ほとんど無名だった柳下くんも、上映時点では人気者ということで、キャスト一覧には出番もないのに結構、大きく載っています。一応、この映画が柳下大くんの初“撮影”映画と言うことになるのでしょう。

 さて、この映画は、女の子を目当てに部活に参加する男の子、そして、その男の子を目当てに部活に参加する女の子と、よくありそうな不純な動機で集まった少年少女の物語ですが、案外、面白く楽しめます。

 音楽に酔い痴れて、時に淫らなことに及んでしまうという不思議な少女の役を歌手でもある安良城紅さんが演じ、この女の子に惹かれて、ブラバン部に入る二人の少年を福本有希くん(17歳)と岡田将生くん(18歳)が演じます。
 二人とも、トランペット奏者ですが、最初は白波瀬(福本有希)の方が上手かったのに、いつの間にか村雨(岡田将生)に追い着かれてしまい、そのことを雨の中、芹生(安良城紅)に指摘されて、白波瀬が愕然とするシーン等、なかなか面白い。

 芹生(安良城紅)に恥をかかせようと、難しくて淫らな曲を選んだら、芹生が担当するホルンのパートが無かったという神野さくら(近野成美)のボケぶりも、なかなか面白い。

 1年生ながら、その気の無い連中(新入生&顧問)を掻き集めて、廃部寸前の吹奏楽部(ブラスバンド部)を立て直す八田役の足立理くん(20歳)は、なかなか良い脇役を演じています。
 かなり強引でも、それほどしつこくはなく、図々しい割には、あまり目立たないという微妙な役回りを巧みに演じています。ルックスに頼らない、演技派のバイプレーヤーとしても、案外活けるのではないでしょうか。

 ところで、柳下くんと入れ替わるようにして、D-BOYSを抜けた元D-BOYSの足立くんは、事務所とトラブルでもあったのか、最近は、ほとんど芸能活動をしていないようですが、この映画の公開を機に、活動を再開するようです。
 先月、1年ぶりにナベプロの社長ブログにも登場したということは、関係改善ができたということのようで、D-BOYSへの復帰も決まったそうです。

 脇役といえば、もう一人、徳永えりさんが演じるさくら(近野成美)の友人も、なかなか良かった。楽器の演奏もできないのに、男の子目当てで便乗してブラバン部に入り、そのまま居着いて主要メンバーになってまう健気な女の子を割と自然に可愛く演じています。

 その他、芹生の中学時代の同級生(恋人?)役の若葉竜也くん、美味しいところだけ掠っていった感じの顧問役の藤村俊二さん、良き父親というイメージそのままの森本レオさんなども、なかなか面白うございました。

 最後に、白波瀬(福本有希)の「僕は迷惑かけられたいんです!」という告白は、青春という感じです。
 実は、この映画を観ようと思ったのは、予告編で聴いた同じく白波瀬(福本有希)の台詞「他人に迷惑をかけても、やりたいことをやるべき云々」というのが妙に心に残ったから。
 大人になると、やりたいこともやれなくなるし、他人に迷惑をかける訳にもいかなくなるし・・・、こんなことを言えるのは、若いときだけなので・・・。

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映画「L change the World」 川野直輝 [映画]

 先日、最終回を迎えた「獣拳戦隊ゲキレンジャー」で、不死身の幻獣ロンを演じていた川野直輝くんが出演しています。

 松山ケンイチくん演じるLがボーイらと共に電車に乗るシーンで、L達の向かいの席に座り、ワンセグでニュースを視ているお兄さんの役です。
 台詞は「ありえねぇ~」の一言だけですが、画面一杯に川野くんの顔が大写しになりますから、その他大勢の端役にしては破格の扱いです。
 これもロン人気?のお陰でしょうか。

 撮影時期は、2007年8月頃ということですが、既に髪を金色に染めていますから、「ゲキレンジャー」の撮影が始まっていたのでしょう。

 さて、映画の出来は主役の松山ケンイチくんの演技は良いとしても、ストーリーは杜撰の一言に尽きます。この映画の本編となる「デスノート」のような緊迫感もスリルもありません。残念ながら、「L change the World」は映画としては駄作でしょう。

 そもそも、いかに映画とはいえ、ウイルス学や細菌学の基本を無視した設定は、あまりに嘘っぽくて、正直、観るに堪えません。

 「L change the World」に登場する殺人ウイルスに比べれば、死神やデスノートの方がまだ信じられます。少なくとも「L change the World」に登場する殺人ウイルスの存在は100%否定できますが、死神やデスノートの存在は証明できないけど、否定もできない。まさかとは思うが、ひょっとして・・・と思える魅力がデスノートにはありました。

 人が作り出したものや、ウイルスという既知のものを題材に取り上げるのなら、もっと入念な科学考証を行うべきでしょう。
 CGを嫌って実写に拘り、タイまで行って本物のジャンボ機を撮影するようなことをするのであれば、もっと他に拘るべき点もあるのではないでしょうか。

 せめてウイルスではなく、毒素産生性の細菌にして、細菌そのものではなく、毒素を散布するというような設定にすれば、多少は見れたかも知れませんが、昨今のSARSやインフルエンザなどの騒動に便乗しただけの安易な設定は、残念ながら、頂けません。


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映画「陰日向に咲く」 岡田准一、塚本高史、三浦友和 [映画]

 54刷100万部が売れたという劇団ひとりさんのベストセラーが原作です。原作は5つの短編からなるオムニバス形式ですが、案外、いける短編集です。今回、4つの短編を一部、改変して、岡田准一くん主演で映画化しています。

 原作も泣けますが、映画は原作以上に泣ける作品に仕上がっています。ジュピター山村が死に際して、死んだ息子の健一になりすましたつもりのシンヤ(岡田准一)に宛てた手紙をシンヤが読むシーンは、特に泣けます。この部分は、原作の小説にもありますが、小説では、ここまでは泣けません。やはり映画、映像の力でしょう。

 映画の出来は悪くありませんが、物語としては原作の方が面白い。
 何よりも塚本高史くん演じるアイドル・オタクゆうすけと元アイドル・ドロ子の物語と、ギャンブル好きの青年シンヤの物語が絡まないのが詰まらない。

 また、原作には登場しない寿子(鳴子の娘)がシンヤと絡む物語は、さすがに不自然過ぎるし、リュウタロウとシンヤが親子というのも話が出来すぎていて、しらけてしまう。原作の良さは、5つの物語がちょっとずつ、さりげなく微妙に絡むところにあるのだが、その良さが消えてしまっている。

 しかし、リュウタロウとシンヤの最後の再会シーンは・・・泣けます。態とらしさが鼻に付きますが、それでも、このシーンは良い出来です。
 思わず、ホームレスを題材にした舞台「ブルーシーツ」で、ギャンブル好きで借金塗れの優(米原幸佑)が横浜の実家に帰った時の姿を想像してしまいました。出来の悪い子供を持った親なんて、あんなものなのでしょう。

 ちなみに、原作では、それぞれの人物の関係は・・・

ドロ子(=武田みやこ)の幼なじみで、アイドル・オタクの青年(塚本高史)・・・コンビニの期限切れ弁当をリュウタロウ(三浦友和)と争い、リュウタロウにホームレスを止めて、エリート・サラリーマンに復帰する決意をさせる。(原作では「僕」のみで名前はない。)

雷太=モーゼ・・・シンヤと同じ公衆電話を使って、ジュピターに電話を掛けたことから、シンヤがジュピターに、オレオレ詐欺を仕掛けるきっかけを与える。(映画とほぼ同じ)
リュウタロウのホームレスとしての先輩。(映画とほぼ同じ)
ドロ子の幼なじみで、アイドル・オタクの青年とも、中学の時に電車の中で出会っている。(映画にはない。)

シンヤ・・・原作での職業はバスの運転手ではなく、駅員。失恋して、駅のホームで泣き崩れているリュウタロウの娘を見て、飛び込み自殺をするのではないかと恐れて、何とか励まそうとする。

リュウタロウの娘・・・ドロ子の話題で盛り上がり、憧れの男と一夜を共にする。TV局のホームページに、唯一、本当に「ドロ子、大好き」と書き込む。

 ところで、原作の雄助(ゆうすけ)は、リュウタロウの娘の友達で、小説「陰日向に咲く」に収録されている5つの短編の内の一つ「ピンボケな私」に登場する人物です。
 しかし、この「ピンボケな私」は、絶対に映像化できない短編で、作者の劇団ひとりさんのセンスの良さを窺わせるものですが、当然、映画では割愛されています。興味のある人は原作もお読み下さい。

 最後に一言、三浦友和さんは大きい。岡田准一くんが小さいので、並ぶと本当に親子のように見える。


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映画「愛の言霊」 金田敬、徳山秀典、齋藤ヤスカ [映画]

 初日(10月27日)の舞台挨拶で、監督の金田敬さんが小道具にこだわったので注意して観てくれと言っていたので、2回目は原作との相違点を中心に小道具にも注意して観てみました。

 以下、ネタバレ・コメントなので、観る前に読むのが嫌いな人は読み飛ばしましょう。

 原作もなかなか良いマンガですが、原作と変えることによって、映画の方が良くなっている点をいくつか上げてみます。

 一つ目は、祥吾(加々美正史)が立花(齋藤ヤスカ)から借りた大谷晋也(徳山秀典)のDVD。

 原作では、祥吾は大谷本人からビデオを借りていて、それを立花に渡して、大谷に返してもらおうとしますが、ちょうど大谷と喧嘩していた立花に、自分で返してくれ、と断られてしまいます。

 映画では、大谷のDVDを立花が祥吾に勝手に貸していて、それを知らない祥吾が大谷に対して、立花に返してくれと頼みます。祥吾に頼まれた大谷は、自分のDVDを立花が勝手に祥吾に貸していたことに、ムッとしつつも、素直にDVDを受け取ってしまいます。そして、家に帰ってから、晋也が立花に文句を言うと、「お前のものは、俺のもの」と立花に言い返されてしまいます。

 このやりとりは、エンディングのシーン(立花のシャツを晋也が着て、晋也の靴を立花が履いているという原作にもあるシーン)にも繋がる話で、なかなかお洒落な展開になっています。
 「ごくせん」などを手掛けた脚本の横田理恵さんのセンスの良さかも知れませんが、小道具の使い方としては、原作よりもスマートです。

 二つ目は、立花が壊してしまった晋也のお気に入りのマグカップ(立花がプレゼントしたもの)。

 このマグカップは、原作には登場しませんが、怒る晋也を立花がキスで誤魔化して機嫌を取るというシーン(原作では、立花の浮気を疑って怒る晋也の機嫌を取るシーン)に繋がります。
 嫉妬(Jealousy)がテーマの、この映画において、キスぐらいで誤魔化せるのは、マグカップのような些細なこというのは、妙に納得してしまいます。もっとも、この立花から貰ったマグカップは、よほど晋也のお気に入りだったようで、壊れた後も、そのまま使い続けて、コーヒーなどを飲んでいます。

 三つ目は、水沢雪子(松岡璃奈子)が誕生日プレゼントとして立花に贈る香水の名前。

 原作では、「Happy」ですが、映画では、そのものずばり「Jealousy」です。
 映画「愛の言霊」は、大谷と立花、そして、水沢雪子、三者三様の嫉妬の物語です。
 映画にしかないプラネタリウムのシーンで、3人が同じ香水を付けていて、しかも、その名前が「Jealousy」というのは、なかなか心憎い演出です。これが原作のとおり「Happy」という香水を3人が付けていたら、少々興醒めだったでしょう。

 四つ目は、小道具というよりも大道具ですが、立花のバイト先と水沢のバイト先。

 原作では、立花は塾の先生、水沢はキャバクラ?のホステスです。
 映画では、立花のバイトは、中高年相手のパソコン教室の先生。社交的で明るく、誰に対しても優しく接することの出来る立花の性格を象徴するバイトです。また、「嫉妬」という漢字の書けない立花に対して、大谷が「塾の先生が書けないんですか?」と揶揄して、立花が「塾じゃねぇ、パソコン・スクール」と反駁する場面へと、映画では繋がっていきます。

 水沢のバイトも、お洒落なカフェバーのウェイトレス。高校時代からの爽やかで清純なイメージ、それに多少の色気をそのまま反映したバイトです。
 この辺りは正直に言って、原作者の力不足でしょうか。水沢のバイトが原作のように、お客からの指名を争うホステスでは、大谷への秘めた想いが浮いてしまいます。

 五つ目は、道具ではなく、「立花くん、『しっと』って、『漢字で』書けますか」という大谷の台詞です。

 原作では、「嫉妬って 字 書ける?」という立花の台詞です。この台詞は、映画にも登場しますが、大谷にも同じ台詞を言わせ、さらに「漢字で」と強調することで、漢字の書ける大谷(細かいことを気にして、根に持つタイプ)と、書けない立花(些細なことにはこだわらないタイプ)というキャラクターの差が際立ってきます。

 以上、映画の良い点を挙げて、原作の欠点をあげつらうような感じになってしまいましたが、立花と大谷と水沢、三人のちょっと変わった三角関係というストーリーは傑作です。Boys Loveものは、男子校や男子寮という設定を無理矢理作って、強引に男性同士の恋愛関係を仕立て上げてしまうものが多いのですが、この「愛の言霊」では、主人公の大谷が女では話が成り立ちません。

 本当は、大谷のことが好きなのに、無愛想で、取っ付き憎い大谷に直接、声を掛けられず、いつも大谷と一緒にいる立花を通して、大谷を誘うことしかできない水沢雪子。そこには、大谷といつも一緒にいる立花に対する『嫉妬』があります。

 水沢が大谷のことが好きらしいと気が付きつつも、大谷を取られるのは嫌なので、そのことを晋也には伝えない立花都。そこにも、水沢に好かれる大谷に対する『嫉妬』があります。

 そして、物語の中で一際目立つのが女心に疎くて、水沢の気持ちに全く気付くことができず、水沢が好きなのは自分(大谷)ではなくて立花で、立花も男の俺(大谷)よりも、女(水沢)の方が良いに違いないと勝手に僻んで思い込んでいる主人公の大谷晋也。そこには、大谷と水沢に対する強烈な『嫉妬』が現れています。

 結局、最後は、水沢の大谷への愛の告白により、すべてを悟った大谷が立花に不器用な形で謝り、水沢にも、立花への愛を示すという微妙な形で詫びるという形で終わります。
 ハッピー・エンドのようで、実は、そうハッピーではないという不思議な結末です。
 こういう話を産み出した原作者の紺野けい子さんというのは、なかなか素晴らしい才能の持ち主なのでしょう。

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映画「愛の言霊」(渋谷Q-AX) 徳山秀典、齋藤ヤスカ、加々美正史 [映画]

 明るく社交的で、男女を問わず誰とでも仲良くする好青年、立花都(齋藤ヤスカ)と、クールというよりは無愛想で、疑り深いと言うよりは嫉妬深い青年、大谷晋也(徳山秀典)との、ほのぼのラブコメディという感じの映画です。

 いわゆるBoys Loveものですが、この手の作品としては、なかなかリアルで、映像的にも綺麗にまとめられていて、秀逸な作品です。監督の金田敬さんには、是非、続編も期待したいところです。ちなみに、キスシーンやベッドシーンはありますが、ラブシーンはありません。

 お気に入りのマグカップを立花(齋藤)に割られて、怒っているのに、立花に唇を塞がれて、それ以上、何も言えなくなる大谷(徳山)とか、女の子と食事に出かける立花に強引に付いていって、終始隣でふくれっ面をしている大谷とか・・・、なかなかリアルで可愛い気がありました。

 徳山秀典くんは可愛いと言うよりは格好良いという感じの役者&歌手ですが、案外、可愛い表情も出来るようです。ちなみに、主題歌や挿入歌は徳山くんが歌っています。

 齋藤ヤスカくんは、見た目そのまんまのやんちゃなお兄さんという感じです。喋ると見た目以上に幼く見えます。

 最後に、お奨めシーンは何回か出てくる「○○くん、『しっと』って、漢字で書けますか?」という台詞の場面でしょうか。劇中で大谷(徳山)も立花(齋藤)も何回か口にするのですが、妙に微笑ましくて、ああいう会話は大好きです。

 余談ですが、撮影時期は2007年6月頃でしょう。渋谷の駅前に、映画「スリーハンドレッド 300」の大きな宣伝画が掛っていましたから。

 忘れるところでした。加々美正史くん演じる須之内祥吾も、なかなか良いキャラクターです。
 現実に、立花と大谷のような二人がいたら、祥吾の立場で、関わってみたいですね。ちょっと年上の兄貴(お姉さん?)という感じでしょうか?

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映画「300 <スリーハンドレッド>」 [映画]

 アメリカで人気のコミックを映画化したということですが、最初から最後まで血生臭い流血シーンが続くというスプラッタ映画のような内容です。

 古代ギリシャ、テルモピュライの地において、100万とも言われるペルシャ帝国の大軍を迎え撃ち、勝利と引き替えに全滅したスパルタの戦士達というのは、本当に、こんな人達だったのだろうかと恐ろしく思えてしまいます。

 自由を守る戦い、正義の戦いに命を懸ける戦士達というのは、実に響きの良い、格好良い表現ですが、その実、彼らがやっていることは、まさに殺戮であり、負傷して身動きできない敵兵までも、情け容赦なく止めを刺して殺した上に、その遺体までも傷付け、死者を冒涜するという蛮行の限りを尽くします。

 映画の冒頭、ペルシャ帝国の使者を殺害するというのも卑劣なやり方なら、ラストでは、ペルシャの大王に服従すると見せかけて相手を欺し、油断させた上で襲い掛かるというのは、パールハーバーなとどは比べものにならないほど卑怯なやり口です。

 日本的な武士道の精神や、ヨーロッパ的な騎士道の精神にも、そぐわない、これこそ、まさに現代アメリカの正義を具現化したものなのかも知れません。

 とは言え、戦争を美化せず、その醜さを極限までさらけ出すというのも、実にアメリカ的だとも感じます。
 日本だと、「君のためにこそ死にに行く」と言うところを「君のためにこそ殺しに行く」と言うような感覚でしょうか。


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映画「きみにしか聞こえない」、映画「キサラギ」 小出恵介 [映画]

 6/16(土)、小出恵介くんが出演する映画「きみにしか聞こえない」と「キサラギ」が同時に公開される。
 同じ時期に出演映画が公開されると言うことは、他の俳優でも、ままあることなので、珍しくはないのだが、この日、MOVIXさいたまでは、両方の映画の舞台挨拶に、小出恵介くんが出演するらしい。

MOVIXさいたま 舞台挨拶予定

6/16(土)「きみにしか聞こえない」13:50の回上映終了後
登壇者(予定):成海璃子、小出恵介

6/16(土)「キサラギ」16:30の回上映前
登壇者(予定):佐藤 祐市監督、小出恵介

 もともと、MOVIXさいたまはシネコンでありながら、単館系のマイナーな映画も上映する面白い映画館である。
 渋谷、池袋界隈であれば、何軒か映画館を梯子しないといけないような映画も一カ所で同時に見れてしまうと言う、なかなか優れものの映画館である。

 こういう映画館は、観客だけでなく、舞台挨拶をする俳優にとっても、便利なものなのかも知れない。

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●映画「きみにしか聞こえない」
 出演:成海璃子、小出恵介、片瀬那奈、八千草薫、ほか
 監督:荻島達也
 ☆公式HP:http://www.kimikoe.jp/
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●映画「キサラギ」
 出演:小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、
    塚地武雅(ドランクドラゴン)、香川照之
 監督:佐藤祐市
 ☆公式HP:http://www.kisaragi-movie.com/
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映画「アンフェア the movie」 篠原涼子、成宮寛貴、江口洋介、寺島進 [映画]

 篠原涼子さんのアクションと活躍をメインにした娯楽映画という感じで、次々と裏切り者が出て、仲間同士で殺し合うという凄惨な映画ですが、陰湿な騙し合いというと言うよりも、どこか嘘っぽくて陽気な感じです。
 人が死ぬシーンを気軽に観ていられる映画というのは、あまり感心しないのですが、偶には、こういう映画も良いでしょう。何しろ、現代は、茶の間のテレビで、お菓子を食べながら、本物の戦争を観る時代ですから。

 映画に出てきた『黒色潰疽菌』という細菌は実際には存在しませんが、抗血清があるということは、毒素産生性の細菌のようです。
 中世ヨーロッパを襲った黒死症(ペスト)辺りを念頭において設定された架空の病気です。潰瘍性の皮膚病変が特徴的な感染症と言うことですから、おそらくオーストラリア辺りで流行している類鼻疽や西アフリカ辺りで流行しているブルーリ潰瘍等がモデルでしょうか。

 病院襲撃の実行犯、戸田役の成宮寛貴くんは、ドジばかり踏んで、あまりぱっとしない役でした。
 映画では、感染から数時間で戸田(成宮寛貴)は死んでしまいますが、一般に感染から発病、そして死亡までの期間があまりにも短いと、感染した宿主(人や動物)とともに病原体(細菌)も死んでしまうので、むしろ流行は限定的となり、何百万人もが感染して死ぬというようなことは起こりません。
 仮に、『黒色潰疽菌』が実際に存在したとしても、これほど早く感染者が死んでしまうのなら、さして驚異ではないでしょう。

 すぐに死に至るような毒性の強いガス状物質は毒ガス兵器として使われますが、その被害は散布された局地に留まり、被害は限定されます。これに対して、遺伝毒性や慢性毒性を示す物質が一度、環境を汚染すると、その被害は長期にわたり、被害者も年々増え続けます。

 感染症による被害も、これに似ていて、すぐ死ぬ急性の病気よりも、なかなか死なない慢性の病気の方が被害は、より深刻と言うことがままあります。
 最終的に多数の人が感染して死亡するのは、感染から発病までの期間が長くて、発病する前に他人への感染性を示すような類の病気です。HIV感染症は、この典型で、このままではアフリカ南部の一部の国では成人の半数がAIDSで死亡するとも言われています。また、C型肝炎も感染から長い年月を経て、肝炎、肝がんへと至り、心臓病や脳卒中、肺がんなど、他の原因で死なない限り、最終的には死に至る病気です。
 幸い、死に至るまでの期間が長ければ、それだけ治療に成功する可能性も高まりますし、新たな治療薬、治療法が開発される可能性も高まります。諦めず生き続けることで、さらに生きることができるようになります。実際、HIV感染症の平均余命は、年々伸び続けているという状況です。

 最後のシーン、斉木陣(江口洋介)が撃たれたヘリポートは東運ウェアハウスの芝浦ヘリポートです。いつもモノレールから見ている場所ですが、なぜ、あんな所(廻りに公共施設の何もない所)にヘリポートがあるのだろうかと思ってみていましたが、都内唯一の非公共用ヘリポート(民間企業による営利目的のヘリポート)だそうです。
 ちなみに、この映画の舞台は東京ですが、警察病院のシーンをはじめ、ほとんどが東京以外の場所で撮影されていて、本当に東京で撮影されているのは、このヘリポートのシーンぐらいのようです。なお、映画の豊洲警察病院は、本当は群馬県の太田市役所だそうです。香川県庁と言い、茨城県庁と言い、各地の自治体は立派な庁舎を建てているようです。それに比べて、某県の庁舎は・・・、貧乏とは辛いことです。

 ところで、最後に斉木陣(江口洋介)を撃ったのは誰?
 そして、雪平夏見(篠原涼子)を撃たなかったのは何故?
 撃ったのは山路哲夫(寺島進)?
 この話、まだまだ、先へ続くのでしょうか。

アンフェアな月-----刑事 雪平夏見

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  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2006/09/26
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アンフェアthe movieオフィシャルガイドブック―連鎖する”闇”を完全解説

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  • 出版社/メーカー: 東京ニュース通信社
  • 発売日: 2007/03
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映画「Water」 滝口幸広、川口覚、伊藤かずえ [映画]

 原作者の吉田修一さんが自ら監督を手掛けたという映画「Water」を観てきました。
 長崎の高校を舞台にして、男の子達の微妙な心理(友情or愛情)を描いた短編(28分)映画です。
 撮影されたのは2004年の9月、2005年にヨーロッパでは公開されたようですが、日本での公開は2年半後の2007年3月になりました。

 この間、出演した若い役者さんたちの成長振りには驚かされます。特に滝口幸広くんはすっかり立派になってしまって・・・。3年前よりも今の方が可愛いというか、男前というか、何よりも自分に自信を持った顔になっています。
 ポジションが人間を作るという話もありますが、20歳前のデビューしたての少年と、それなりに経験を積んで、人気も出てきた青年とでは顔付きも変わるものなのでしょう。

 もう一人の川口覚くんも、だいぶ変わっていましたが、滝口くんほどではありませんでした。
 川口くんの方が滝口くんよりも3歳年上で、撮影時の打ち上げでは、酔っ払うほど酒を飲んでいたということなので、既に大人だったのでしょう。映画の中でも、凌雲役の滝口くんよりも、ちょっと大人っぽい感じで、圭一郎を演じています。

 また、凌雲の母親役、伊藤かずえさんがなかなか良い演技をしていました。最近では、「獣拳戦隊ゲキレンジャー」で、若いレンジャー達の母親みたいな役を演じていますが、ここでも愛する我が子を失った母親という難しい役を演じています。

 吉田修一監督は、川口覚くんに惚れ込んで、凌雲(滝口幸広)が主人公という当初の予定を変えて、圭一郎(川口覚)を事実上の主役にして撮影してしまいましたが、やはり本来は凌雲が主役でしょう。

 寝そべっている母親を凌雲が跨ぎ、その凌雲の足首に母親の手が絡むシーンと、凌雲のことを兄ちゃんと呼ぶ母親を凌雲がバイクの背に乗せて走るシーンは、凌雲と母親との関係、特に凌雲の母親への思いをよく象徴しているようです。

 凌雲には、いろいろな「もしも」があったと思います。兄が事故死しなかったら・・・、兄が凌雲よりも優秀(学業はともかく、水泳は兄の方が凌雲よりも速い。)でなかったら・・・、母親(伊藤かずえ)が兄の死後、情緒不安定にならなかったら・・・、家業が酒屋で無かったら・・・。
 東京の大学へ行く圭一郎と共に、凌雲も東京へ行くという可能性は十分にあった筈です。
 それらを黙って乗り越えようとする凌雲の強さ、優しさ、18歳の少年とは思えませんが、19歳にして、それを演じた滝口くんも、なかなかのもので、決して役には負けていません。

 吉田監督は、オーディションの時、赤の似合う人という理由で、滝口くんを選んだと書いていますが、確かに派手な色に負けないだけの個性と魅力を持った役者だと思います。滝口くんのこれからの活躍に期待しましょう。


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