映画「300 <スリーハンドレッド>」 [映画]
アメリカで人気のコミックを映画化したということですが、最初から最後まで血生臭い流血シーンが続くというスプラッタ映画のような内容です。
古代ギリシャ、テルモピュライの地において、100万とも言われるペルシャ帝国の大軍を迎え撃ち、勝利と引き替えに全滅したスパルタの戦士達というのは、本当に、こんな人達だったのだろうかと恐ろしく思えてしまいます。
自由を守る戦い、正義の戦いに命を懸ける戦士達というのは、実に響きの良い、格好良い表現ですが、その実、彼らがやっていることは、まさに殺戮であり、負傷して身動きできない敵兵までも、情け容赦なく止めを刺して殺した上に、その遺体までも傷付け、死者を冒涜するという蛮行の限りを尽くします。
映画の冒頭、ペルシャ帝国の使者を殺害するというのも卑劣なやり方なら、ラストでは、ペルシャの大王に服従すると見せかけて相手を欺し、油断させた上で襲い掛かるというのは、パールハーバーなとどは比べものにならないほど卑怯なやり口です。
日本的な武士道の精神や、ヨーロッパ的な騎士道の精神にも、そぐわない、これこそ、まさに現代アメリカの正義を具現化したものなのかも知れません。
とは言え、戦争を美化せず、その醜さを極限までさらけ出すというのも、実にアメリカ的だとも感じます。
日本だと、「君のためにこそ死にに行く」と言うところを「君のためにこそ殺しに行く」と言うような感覚でしょうか。
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