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「彩られたモノ・クローン」(恵比寿エコー劇場) 高橋優太、佐藤雄一、福田転球、山崎直樹、土屋良太 [演劇]

【解説】
 『運命』と信じた恋は、遺伝子に導かれた『宿命』の始まりだった・・・。
 (恋愛×理系)という異質な組み合わせでお送りする青春群像劇。

【物語】
 西暦2022年、1996年に誕生したクローン羊のドリー以来、進歩し続けるクローン技術は医学的な側面以外にも食糧危機の解消、絶滅に瀕した動物の保護など、様々な分野に多大な恩恵をもたらしていた。
 大学の文学部に通う瀬尾千尋(岩田さゆり)と、同じ大学で遺伝子工学を学ぶ藤川ジン(高橋優太)。彼らの出会いは運命だった。千尋の父・瀬尾元治(山崎直樹)はクローン研究において、体の一部の細胞のみをクローン培養することに成功した、世界的にも有名な研究者で、ジンにとって憧れの人物であった。
 ジンには一つの夢があった。それは光を失ったゲンジボタルを救うこと。ジンはホタルが再び自分達で光るようになるよう、日夜、研究に取り組んでいた。
 そんなジンと千尋の交際は順調そのものだった。ただ、彼らには一つだけ悩みがあった。それは、交際して半年が過ぎようとしていたのに、まだ、Hをすることが出来ていないことだった。
 そんな時、運命の歯車が大きく回り始める。ジンの父・藤川徹(土屋良太)が千尋の父と、かつて同じ研究室にいたというのだ。過去の因縁が千尋とジンの恋にも大きな影響を及ぼし、父親達は子供らの交際に反対する。
 果たして、ジンの夢は叶うのか? そして、千尋とジンの衝撃の事実とは?

【劇作・脚本】 山岡潤平
【演出】 安井一成
【出演】 岩田さゆり 高橋優太 福田転球 山崎直樹 土屋良太 佐藤雄一(Pure BOYS) 田辺愛美 鮫島一裕(劇団DECKCHOP) 原絵里 山肩重夫(劇団東京乾電池)
【日程】 2009年3月10日(火)~17日(火) 全10回公演、11日(水)夜 アフタートーク、13日(金)夜 ホワイトデー・イブ
【会場】 恵比寿・エコー劇場
【発売日】 2009年1月20日(火) [P392-403]
【料金】 前売4200円/当日4500円[全席指定]
【企画・制作】 劇団 名古屋さん。
【公式HP】 http://www.knockoutinc.net/g_nagoyasan.html
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【感想】
 感想を一言で言えば、なかなか面白いお芝居です。
 高橋優太くんと佐藤雄一くんの芝居を観に行ったのですが、主役の二人、藤川ジン(高橋優太)と瀬尾千尋(岩田さゆり)、それぞれの父親を演じる土屋良太さんと山崎直樹さんがとても良い芝居を見せてくれました。また、福田転球さんが演じるジンの兄・藤川秀司も、なかなか良かった。福田転球さんは影の主役かも知れません。

 いきもの博士、土屋良太さんのパペットを使った前説や、前半、発光ネズミに噛まれて生殖器が光るようになるという話辺りまではギャグ・コメディですが、後半は、かなりシリアスな内容になります。

 藤川徹(土屋良太)が良かれと思い、些細な慈悲から成した行為が20年余り後になって深刻な事態を招くという話は、善意だけでは世の中は良くならないという見本のような話です。
 また、本当は弟・ジンを憎みながらも、それを否定し、必死にジンを愛そうとする兄・藤川秀司(福田転球)も実に健気で泣かせます。
 そう言う意味では、瀬尾元治(山崎直樹)のジンに対する非情さも、また愛情の裏返しなのでしょう。

 土谷良太さんと福田転球さん、山崎直樹さんと高橋優太くん、意外と似ているものです。親子と言われれば、親子に見えないこともありません。ただ、高橋くんの目付きはきついので、眼鏡を掛けてマイルドにしないと、優しい目をした山崎さんのコピーには、見えませんけど・・・。

 それにして、最後の心臓移植の話には、移植臓器を得るために、クローン人間を作って育て、必要な時に殺して臓器を取り出すという映画「アイランド」の話を思い出させられて、ちょっと恐くなりました。

 高橋ジンの『ジン』は、gene(遺伝子)の音読みでしょうか。
 また、タイトルの「彩られたモノ・クローン」の『モノ』は、mono(単一の)ではなく、「物」という意味なのでしょうか。
 なかなか意味深な名前を付けたものです。


 さて、高橋優太くんは、ジュノンボーイ出身で、ミュージカル「テニスの王子様」青春学園4代目、乾貞治でデビューし、2008年のBe Withプロデュース「THE LONG KISS★GOOD NIGHT」に続いて、2回目のストレートプレイです。
 高橋くんは激しい怒りや嫉妬を表現できる、とても迫力のある眼をしています。映画「体育館ベイビー」と映画「同級生」(共に、2008年、深川栄洋監督)では、主人公の中村優一くんを高橋優太くんが睨み付けるシーンが実に印象的でありました。
 今回、舞台上では終始、眼鏡をかけていて、眼を隠しています。しかし、終演後、一瞬、眼鏡を外したときの顔は迫力があり過ぎて、物語の設定(瀬尾のクローン)に合わないと感じるぐらいでしたから、この芝居で藤川ジンを演じるときは、眼鏡を掛けていた方が良いでしょう。

 佐藤雄一くんは2007年の「switch~naked ape~」、2008年の「7Dummy`s Blues」、2009年1月の「特別法第001条 DUST」に続いての舞台出演です。もっとも、Pure BOYSのステージは芝居というよりもイベントに近いものでしたが・・・。

 振り返ってみると、高橋くんと佐藤くんの舞台は、すべて観ているのでありました。我ながら感心するやら、呆れるやら・・・。
 ちなみに、これを書きながら、隣のディスプレイでは、TSUTAYAで借りた「同級生」と「体育館ベイビー」のメイキングDVDを観たりしております。最後の卒業式のシーン、演台の上から高橋くんが仰向けに倒れるシーン、撮影には苦労したようです。
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