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「あの日」 WaT (ウエンツ瑛士&小池徹平) [J-POP]

 2005年11月にメジャーデビューして、その年の暮には、もう紅白に出場してしまうという記録を作ったWaTは、ウエンツ瑛士と小池徹平の二人の若手俳優(お笑い芸人の「劇団ひとり」も今や俳優ないしは作家だから、ウエンツ瑛士くんも俳優と紹介して良いでしょう。)からなるシンガー・ソング・ライター・デュオです。

 ストリートで歌っていたインディーズ出身(2004年2月「卒業タイム」でデビュー)とはいえ、二人の歌唱力は今一歩、自作の曲もそれほどではなく、ギターの演奏も大したことはないという典型的なアイドル出身のデュオですが、その真剣かつ誠実な姿勢と、素直な歌詞には共感できるところが多く、応援しています。

 ちなみに、音楽としては、同じインディーズ出身でも、ウエンツ瑛士くんが声優を演じた映画「ブレイブ・ストーリー」の主題歌「決意の朝に」を歌っているAqua Timez(アクアタイムズ)の方がずっと良いと思います。
 歌唱力という点でも、かつて5オクターブの声が出たw-inds.の橘慶太くんには及ばないと思いますし、もちろん、ブレイク・ダンスは千葉涼平くんに及ばないでしょう。
 しかし、WaTはAqua Timezでもw-inds.でもなく、WaTなのですから、別に気にすることはないのです。

 さて、WaTのメジャーデビュー曲「僕のキモチ」のc/w(カップリング・ウィズ)「あの日」は、夢と希望と不安を胸に、歌手になることを目指して、単身上京してきた少年の物語というイメージで、まさに小池徹平くんをイメージしたような内容の歌詞です。
 もっとも、徹平くんは父親の車で大阪から東京へ来たそうなので、ギターケースを抱えて、独り東京駅に降り立った訳ではないようですから、歌詞の世界は、あくまでも空想、妄想の世界のようです。

 テレホンショッキングでタモリがよく言う台詞ではありませんが、若い頃の純真無垢な気持ちや清潔感というのは、大人になるにつれて失われ、世間を生き抜いていく内に汚れていくものなので、ややもすると、こうした歌は嫌味に聞こえるのですが、それを爽やかに歌ってしまうのがWaTの魅力でしょう。
 歳を重ねると、若い頃が懐かしく、また、羨ましくもあり、さらに若い者が妬ましくさえも思えてしまうものですが、この歌は非常に清々しいものを感じます。

 特に、この歌の良いところは
 「そして今の僕は
  まだ道の途中で
  かけがえのない君と出会い
  積み重ねてゆく夢を現実に
  こうして今もこれからも
  歌い続ける」

 「そして今の僕は
  また道の途中で
  君とつくる未来をまた
  見知らぬ誰かに届けられるように
  こうして今もこれからも
  歌い続ける」
という二つのフレーズでしょう。

 素直に聴ければ、小池徹平とウエンツ瑛士が出会い、歌手になるという夢を実現したという内容ですが、『かけがえのない君と出会い、積み重ねてゆく夢を現実に』とか、『君とつくる未来をまた、見知らぬ誰かに届けられるように』とかいうセリフは、本来、デュオの相方に対してではなくて、生涯の伴侶、パートナーに対して、言うべき言葉でしょう。

 一緒に未来を作れるようなかけがえのないパートナーに出会えるというのは、実に幸せなことです。若い人には分からないかも知れませんが、ある程度、歳を取ると、そのことが実感できるようになります。

 音楽に対する姿勢や感性の違いや、メンバーの個性や感情の対立から、解散してしまうサウンド・グループも珍しくありません。また、長続きしているような某グループは、音楽を仕事と割り切って、メンバー間のプライベートは全く疎遠というものも多いようです。

 そういう中で、WaTの二人の仲の良さは、傑出しているように思えます。

 そういう思いで、c/wの「僕のキモチ」も聴いてみると、
 「僕は君と向き合うより
  同じ未来二人向いていたい」
というフレーズがなぜか印象に残ります。

 普通の恋人なら、やはり向き合って、お互いに自分だけを見ていたいと思うものでしょう。それを二人並んで、同じ未来を目指したいというのは、なかなか意味深長なセリフだと思います。
 もっとも、僕自身は、向かい合うよりも同じ方向を向いていたいというか、パートナーにも僕と同じ方向を向かせたいと思う質ではありますが、こういうのは、あまり普通ではないでしょう。

 最後に、
 「あの日あの場面で
  僕が決めた道は
  けして間違ってはいないと
  言い聞かせながら過ごした日々さえ
  今では思いでに変わる」
というフレーズも良いですね。

 僕も涙もろい方なので、こんなのを聞かされると、確かに泣けます。
 ミュージックステーション初出演で、歌いながら、泣いてしまったのも、仕方がないか・・・。

僕のキモチ (通常盤)

僕のキモチ (通常盤)

  • アーティスト: WaT, 小松清人, 前嶋康明
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルミュージック
  • 発売日: 2005/11/02
  • メディア: CD


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