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「キズナ」 sprout (塩澤英真 作詞) 「僕らの居場所」 WaT (小池徹平&ウエンツ瑛士 作詞) [J-POP]

 この二つの歌に、特に共通点は無いのですが、強いてあげるとすれば、どちらもc/wの曲であること(CDタイトル曲はそれぞれ「One Love」と「5センチ」)、どちらも歌詞の最初の一言が「ちゃんと」であることぐらいです。

 初めて「キズナ」を聴いたとき、そういえば、WaTの歌にも「ちゃんと」から始まる歌があったなと思い、聞き比べてみましたが、WaTの歌の暗さが際立ってしまいました。WaTの歌は曲も暗いのですが、歌詞も暗いイメージです。
 その昔、うす暗い部屋の中で、膝を抱えて、中島みゆきの歌を聴いたような状況を思い出してしまいました。

 この歌に限らず、WaTの歌は、どれもストーリーのある、叙実的な詞です。歌詞を聴いていると、情景が目に浮かぶような感じがしますし、マンガやDVDドラマができてしまいます。
 そこで、「僕らの居場所」の中から、いくつかのフレーズをピックアップしてみます。

「ちゃんと僕を見てそして話して下さい」
 俯(うつむ)いて、項垂(うなだ)れて、前を見ることができないのでしょうか。

「重たい荷物をそこにおろして下さい」
 荷物の実際の重さというよりも、心の重荷を背負っているのでしょうか。

「明日の話をしよう 未来の話をしよう」
 つまり、今日の話、過去の話は、辛くて話したくないということでしょう。

「そこに二人が居るさ 悩みや苦しみ 僕ら打ち明けて下さい」 「みんなも歌を歌おう きっと楽しくなるはずだから」 「一人じゃないよ 落ち込んだ時は 君を笑顔に変えてみせるから」
 楽しい報告や明るいニュースを聴かせてくれる人に対してではなく、「悩み」や「苦しみ」を持った人、「楽しみ」も「笑顔」もない人にこそ、彼らは歌を伝えたいのでしょう。
 アイドルのコンサートに集まって、手を振りながら黄色い歓声を上げる人よりも、ストリートの隅に、ひっそりと隠れるように黙って立っている人にこそ、彼らは歌を伝えたいのかも知れません。

 一方、sproutの方は、何があっても前向きという感じがします。落ち込む暇があったら、とりあえず、前へ進んでしまおう、今日の涙は明日の希望という感じです。

「遠く離れていても 僕らはつながっているよ この空の下」
 同じ空の下で・・・というのは定番のフレーズですが、時には、逆の意味でも使います。つまり、同じ場所から同じものを見ているはずなのに、二人には違うものが見えているというようなことも、現実には大いにあることです。事実は一つでも、真実は人の数だけ、あり得るものなのです。
 しかし、この歌の場合には、ごく素直に二人の強い絆(キズナ)を象徴しているのでしょう。

「涙の数だけ夢は いつか輝く」 「傷付くたびにね 人はやさしくなれるね」
 「涙」や「傷」など、一見、ネガティブなことでも、「輝き」や「優しさ」へと転化(昇華)させてしまうというのは、典型的なポジティブ思考でしょう。

「知らないことがわかるたびに 少しづつ臆病になってく」 「もう一度始めよう 何度でもやり直せる」
 若いと言うことは、怖いもの知らずということでもあり、それだけ大胆な行動も取れるのですが、失敗を繰り返すという経験を積むことによって、臆病になり、そして、大人になって行くのだと思います。
 それでも、年を重ねても、「やり直せる」と思い続ける気持ちは大切です。
 永田町辺りでは、「再チャレンジ」という言葉が流行のようですが、大人になると、「『再』チャレンジ」どころか、チャレンジさえも難しいものです。

「ずっと変わらず そばにいてくれる 大切な人」
 自分が「そばにいる」または「いたい」のではなくて、相手が「いてくれる」というのは、少々ノーテンキで、現実認識が甘いように思いますが、大切な人がいつ去ってしまうのか、と怯えるよりも、ずっとそばにいてくれると、素直に信じる心も、若さのなせる技でしょう。
 現実は、熟年離婚が流行り言葉になるように、長年連れ添った妻に、ある日突然、去られてしまうということも決して珍しくはないのですが・・・。
 「いつまでも あると思うな、親と金」という川柳がありますが、大切な人の愛も、いつまでもあると思わない方が良いでしょう。やはり、逃げられないように、不断の努力が必要です。


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