「エア・ギア」(イオン化粧品シアターBRAVA！) 宮下雄也(RUN&GUN)、松本寛也、勝矢、鎌苅健太

　最近、お笑いの世界でもいわゆるイケメン(昔風に言えば、二枚目？)が流行っていますが、何を勘違いしたのか、吉本興業が本格的な男性アイドル・ユニットとして売り出しているのが「RUN&GUN」という4人組です。

　バラエティ業界における吉本興業の力を反映してか、あるいは俳優としても活躍するお笑い芸人との抱き合わせ販売の結果としてか、最近、脇役としてドラマや映画にもレギュラー出演している彼らですが、今回、「エアギア」というミュージカルに4人揃って出演しています。
　役回りは、鎌苅健太らの主人公グループに対する敵役グループで、主役の引き立て役という感じですが、割と出番も多いし、それほど悪い役でもないので、まず宜しいのではないでしょうか。

　シェークスピアの役名をそれぞれ名前としている敵役5人の中で、なかなか良い演技をしていたのは、パック役の宮下雄也くんでしょうか。
　他の4人が野心家のマクベス、優柔不断なハムレット、お坊ちゃんのロミオとお転婆な姫様のジュリエットと言う感じのシェークスピア劇のイメージを必ずしも演じ切れていない中で、恋を司るいたずら好きの森の妖精という本来の雰囲気が良く出ていました。
　昨年のドラマ「14才の母」にもゴシップ雑誌の波多野編集長(北村一輝)の部下、稲葉真也役で出演していましたので、これからもテレビなどで見掛ける機会があるかも知りません。

　敵役5人の中で、唯一RUN&GUNではない松本寛也くんはJUNON SUPER BOY出身で、avexに所属する正統派アイドルです。「魔法戦隊マジレンジャー」ではマジイエローを演じていましたが、DVD映画「BOYS　LOVE」では、主人公の如月のえる(斎藤工)に恋する、ちょっと危ない優等生、古村千鳥を演じていました。
　今回も別の意味で、ちょっと危ないジュリエット役でした。

　ところで、アイドル、イケメン揃いの出演者の中で一人異色の存在であったブッチャー役の勝矢さんは竹内力のリキプロジェクト所属の俳優で、およそミュージカルや女性ファンとは縁がなさそうな存在なのですが、意外と役にはまって、良い味を出していました。
　原作のイメージとは全く異なるオニギリ役の加治将樹くんとは、好対照のキャスティングでした。

　最後に、主役の鎌苅健太くんは意外と、男っぽい俳優なのですね。見掛けとのギャップに、ちょっと驚きました。

RUN&GUN オフィシャル・ブログ
http://www.runandgun.jp/

宮下雄也くんは3月に劇団IQ5000の｢Mr.VeryGoodMan｣という舞台に出演するそうです。

｢Mr.VeryGoodMan｣
［劇作・脚本］［演出］［出演］腹筋善之介
［出演］マット前転/木村拓也/沢元俊広/久保田寛子/他

3/8～3/11　笹塚ファクトリー（東京）
3/16～3/18　in→dependent theatre 2nd（大阪）