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映画「Water」 滝口幸広、川口覚、伊藤かずえ [映画]

 原作者の吉田修一さんが自ら監督を手掛けたという映画「Water」を観てきました。
 長崎の高校を舞台にして、男の子達の微妙な心理(友情or愛情)を描いた短編(28分)映画です。
 撮影されたのは2004年の9月、2005年にヨーロッパでは公開されたようですが、日本での公開は2年半後の2007年3月になりました。

 この間、出演した若い役者さんたちの成長振りには驚かされます。特に滝口幸広くんはすっかり立派になってしまって・・・。3年前よりも今の方が可愛いというか、男前というか、何よりも自分に自信を持った顔になっています。
 ポジションが人間を作るという話もありますが、20歳前のデビューしたての少年と、それなりに経験を積んで、人気も出てきた青年とでは顔付きも変わるものなのでしょう。

 もう一人の川口覚くんも、だいぶ変わっていましたが、滝口くんほどではありませんでした。
 川口くんの方が滝口くんよりも3歳年上で、撮影時の打ち上げでは、酔っ払うほど酒を飲んでいたということなので、既に大人だったのでしょう。映画の中でも、凌雲役の滝口くんよりも、ちょっと大人っぽい感じで、圭一郎を演じています。

 また、凌雲の母親役、伊藤かずえさんがなかなか良い演技をしていました。最近では、「獣拳戦隊ゲキレンジャー」で、若いレンジャー達の母親みたいな役を演じていますが、ここでも愛する我が子を失った母親という難しい役を演じています。

 吉田修一監督は、川口覚くんに惚れ込んで、凌雲(滝口幸広)が主人公という当初の予定を変えて、圭一郎(川口覚)を事実上の主役にして撮影してしまいましたが、やはり本来は凌雲が主役でしょう。

 寝そべっている母親を凌雲が跨ぎ、その凌雲の足首に母親の手が絡むシーンと、凌雲のことを兄ちゃんと呼ぶ母親を凌雲がバイクの背に乗せて走るシーンは、凌雲と母親との関係、特に凌雲の母親への思いをよく象徴しているようです。

 凌雲には、いろいろな「もしも」があったと思います。兄が事故死しなかったら・・・、兄が凌雲よりも優秀(学業はともかく、水泳は兄の方が凌雲よりも速い。)でなかったら・・・、母親(伊藤かずえ)が兄の死後、情緒不安定にならなかったら・・・、家業が酒屋で無かったら・・・。
 東京の大学へ行く圭一郎と共に、凌雲も東京へ行くという可能性は十分にあった筈です。
 それらを黙って乗り越えようとする凌雲の強さ、優しさ、18歳の少年とは思えませんが、19歳にして、それを演じた滝口くんも、なかなかのもので、決して役には負けていません。

 吉田監督は、オーディションの時、赤の似合う人という理由で、滝口くんを選んだと書いていますが、確かに派手な色に負けないだけの個性と魅力を持った役者だと思います。滝口くんのこれからの活躍に期待しましょう。


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