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映画「アンフェア the movie」 篠原涼子、成宮寛貴、江口洋介、寺島進 [映画]

 篠原涼子さんのアクションと活躍をメインにした娯楽映画という感じで、次々と裏切り者が出て、仲間同士で殺し合うという凄惨な映画ですが、陰湿な騙し合いというと言うよりも、どこか嘘っぽくて陽気な感じです。
 人が死ぬシーンを気軽に観ていられる映画というのは、あまり感心しないのですが、偶には、こういう映画も良いでしょう。何しろ、現代は、茶の間のテレビで、お菓子を食べながら、本物の戦争を観る時代ですから。

 映画に出てきた『黒色潰疽菌』という細菌は実際には存在しませんが、抗血清があるということは、毒素産生性の細菌のようです。
 中世ヨーロッパを襲った黒死症(ペスト)辺りを念頭において設定された架空の病気です。潰瘍性の皮膚病変が特徴的な感染症と言うことですから、おそらくオーストラリア辺りで流行している類鼻疽や西アフリカ辺りで流行しているブルーリ潰瘍等がモデルでしょうか。

 病院襲撃の実行犯、戸田役の成宮寛貴くんは、ドジばかり踏んで、あまりぱっとしない役でした。
 映画では、感染から数時間で戸田(成宮寛貴)は死んでしまいますが、一般に感染から発病、そして死亡までの期間があまりにも短いと、感染した宿主(人や動物)とともに病原体(細菌)も死んでしまうので、むしろ流行は限定的となり、何百万人もが感染して死ぬというようなことは起こりません。
 仮に、『黒色潰疽菌』が実際に存在したとしても、これほど早く感染者が死んでしまうのなら、さして驚異ではないでしょう。

 すぐに死に至るような毒性の強いガス状物質は毒ガス兵器として使われますが、その被害は散布された局地に留まり、被害は限定されます。これに対して、遺伝毒性や慢性毒性を示す物質が一度、環境を汚染すると、その被害は長期にわたり、被害者も年々増え続けます。

 感染症による被害も、これに似ていて、すぐ死ぬ急性の病気よりも、なかなか死なない慢性の病気の方が被害は、より深刻と言うことがままあります。
 最終的に多数の人が感染して死亡するのは、感染から発病までの期間が長くて、発病する前に他人への感染性を示すような類の病気です。HIV感染症は、この典型で、このままではアフリカ南部の一部の国では成人の半数がAIDSで死亡するとも言われています。また、C型肝炎も感染から長い年月を経て、肝炎、肝がんへと至り、心臓病や脳卒中、肺がんなど、他の原因で死なない限り、最終的には死に至る病気です。
 幸い、死に至るまでの期間が長ければ、それだけ治療に成功する可能性も高まりますし、新たな治療薬、治療法が開発される可能性も高まります。諦めず生き続けることで、さらに生きることができるようになります。実際、HIV感染症の平均余命は、年々伸び続けているという状況です。

 最後のシーン、斉木陣(江口洋介)が撃たれたヘリポートは東運ウェアハウスの芝浦ヘリポートです。いつもモノレールから見ている場所ですが、なぜ、あんな所(廻りに公共施設の何もない所)にヘリポートがあるのだろうかと思ってみていましたが、都内唯一の非公共用ヘリポート(民間企業による営利目的のヘリポート)だそうです。
 ちなみに、この映画の舞台は東京ですが、警察病院のシーンをはじめ、ほとんどが東京以外の場所で撮影されていて、本当に東京で撮影されているのは、このヘリポートのシーンぐらいのようです。なお、映画の豊洲警察病院は、本当は群馬県の太田市役所だそうです。香川県庁と言い、茨城県庁と言い、各地の自治体は立派な庁舎を建てているようです。それに比べて、某県の庁舎は・・・、貧乏とは辛いことです。

 ところで、最後に斉木陣(江口洋介)を撃ったのは誰?
 そして、雪平夏見(篠原涼子)を撃たなかったのは何故?
 撃ったのは山路哲夫(寺島進)?
 この話、まだまだ、先へ続くのでしょうか。

アンフェアな月-----刑事 雪平夏見

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