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今週の映画、演劇 11月14日-18日 [独り言]

映画「アフロサムライ」 11月14日

 日本のマンガがアメリカへ渡り、アメリカン・コミックとして人気を博した後、アニメとなって、日本に戻ってきたという作品です。
 製作自体は日本人が深く関与しているので、丁寧な作りの日本的なアニメですが、内容的にはアメリカ人の趣向に合わせた分かりやすく、派手な展開のストーリーです。

 マンガは、日本発の国際文化ということですが、なるほどと思える作品です。
 日本人的な親子の情愛や武士道、仇討ちを国際化すると、多分、こんな感じになるのでしょう。
 意外と面白いアニメ映画でした。

「デンキ島 ~白い家から~」(新宿 Theater Tops) 土屋裕一、山口森大 11月16日

 名作映画「カサブランカ(白い家)」をモチーフにした作品です。
 日本海、能登半島沖に浮かぶ架空の島、デンキ島を舞台に物語は繰り広げられます。
 ヤクザの3代目、ジュニア役の土屋裕一さんは今一、精彩を欠いていました。変なキャラを作り過ぎたという感じでしょうか。
 デンキ島出身の俳優と一緒にデンキ島へやって来るマネージャー役の山口森大さんは、いかにも世話好きで、役者と一蓮托生のマネージャーという感じで、なかなか良い味を出していました。

映画「象の背中」 役所広司、塩谷瞬 11月17日

 肺癌で余命6ヶ月と宣告されながらも、死ぬまでタバコを止められないエリート・サラリーマンの物語です。
 愛人には、癌のこと、余命のことを伝えられるのに、妻には伝えられないという辺り、男のエゴイズムを良く表わしています。「メトロに乗って」でも、そうですが、主人公が善人ではなく、少々悪党な方が物語としては、面白くなるようです。
 死期間近、主人公(役所広司)兄(岸部一徳)とスイカを食べながら語るシーンは泣けます。 

「欲望という名の電車」(新大久保、東京グローブ座) 篠井英介、北村有起哉、Takuya 11月17日

 とにかく主役のブランチを演じる篠井英介さんの演技が素晴らしい。あれだけ見事に、心を病んだ女性を演じられる役者は、男女を通じて他にはいないでしょう。特に、狂っていると感じさせないように、演じるというのは、なかなかできることではありません。

 ブランチは、ごく若いときに、ゲイであった夫(美少年アラン)を「穢らわしい」と罵り、死に追いやってしまったことを深く後悔し、自らの身体を見ず知らずの男に委ねて穢すことによって、罪の償いを行い、それにより、かろうじて自我の崩壊を防いでいる可哀想な女性です。
 しかし、周囲の人間は、ブランチのことを単なる尻軽女、ふしだらな女としか見ません。唯一人、妹のステラを除いては。

 というような背景が物語の終盤で明かされるまで、観客にも、それと気が付かせないのは、篠井さんの演技力でしょう。
 観客も、また、不幸なブランチを更なる不幸へと追いやった無理解な人々の一人に過ぎないと言うことを思い知らされます。

 心を病んだ人に接するとき、その人が病んでいることを理解できる人は、ごく稀です。せいぜい変な人、非常識な人、迷惑な人としか思わないものです。そして、そうした周囲の無理解が病人を更なる深みへと追い込んでしまうのです。

 そういう意味で、この作品は、なかなかの名作と思います。

 また、親子二代でスタンリーを演じることになった北村有起哉さんも、妻を愛しながらも、妻の実家の財産にこだわる卑屈な工員の役を巧みに演じていました。

 Takuyaくんは、わずか5分の出番でしたが、ブランチ(篠井英介)に誘惑される若い集金人の役です。ブランチのかつての夫、アランを思い起こさせ、また、同時に、教師であったブランチが高校を辞めなければならなくなった原因をも思い起こさせる大事な役です。
 同世代の若い女の子は知っていても、年上の大人の女は知らない少年、お世辞にも美しいとは言えないブランチの放つ妖しげな魅力、美や若さとは異なる不思議な魅力に対する若者特有の好奇心をもった少年の役です。

 ブランチと接する時間がもっと長かったら、好奇心が恋愛感情へと変わっていたことでしょう。何しろ、ブランチは、義弟のスタンリーさえも、惑わしてしまうのですから・・・。

「abbey アビィー」(青山円形劇場) 伊藤陽佑、加藤良輔、鈴木省吾、栗根まこと 11月18日

 インディーズバンド「abbey アビィー」がメジャー・デビューする当日に解散する?というの楽屋話です。
 芸能界の裏事情を赤裸々に語るという感じではありませんが、先日のJack Jackの解散劇も、こんな感じだったのだろうかと、思わず感じてしまいました。

 主役の若い二人(伊藤陽佑、加藤良輔)よりも、脇役の年長者二人(鈴木省吾、栗根まこと)、特に粟根さんが主役の物語という感じです。

 ところで、この「abbey」で舞台デビューする三浦孝太くんは、三浦浩一さんから花が届いていましたが、三浦浩一さんの息子だそうです。ということは、三浦涼介くんのお兄さんと言うことになるようです。
 そういえば、どこなく、三浦涼介くんに似ているような気がしないでもないかも・・・。

 話は変わって、この舞台、BLEACH関係者がかなり観に来ているようです。永山たかしくんとか、林修司くんとか・・・。さすがに、土屋裕一さんは観に行く暇がないか?

「体感季節」(東京芸術劇場小ホール、池袋) 柳浩太郎、河合龍之介、坂本真、豪起、黒田耕平、八神蓮 11月18日

 当日、販売されているプログラムに書かれているStoryと全然違う内容の物語を上演するという、とんでもない芝居ですが、これ自体が一つの演出でしょう。
 何しろ、この物語は、由良(柳浩太郎)が企画した映画「体感季節」のストーリーを監督(河合龍之介)が勝手に変えていき、ついには、由良が監督に殺意さえ抱くという内容ですから。

 柳浩太郎くんと河合龍之介くん、どちらも応援しているのですが、毎回、今一歩、物足りないものを感じます。
 それに比べて、坂本真くん、豪起くん、それに黒田耕平くんは、なかなか良かった。また、八神蓮くんも陰りのある青年の役を演じて、なかなか良かった。


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