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彩の国シェイクスピア・シリーズ第21弾「冬物語」(彩の国さいたま芸術劇場 大ホール) 唐沢寿明 田中裕子 長谷川博己 藤田弓子 下塚恭平 [演劇]

【解説】
 彩の国シェイクスピア・シリーズ第21弾は、シェイクスピアが晩年に描いたロマンス劇『冬物語』です。
 猜疑心と嫉妬から始まった悲しみに閉ざされた冬の16年間、その後、歌と音楽が結ぶ、家族の離散と運命の再会、最後は幸せな大団円を迎える。

【物語】
 シチリア王レオンティーズ(唐沢寿明)は、幼馴染のボヘミア王ポリクシニーズ(横田栄司)がシチリアに滞在した折、帰国を引き止める妻の王妃ハーマイオニ(田中裕子)の言動から、ふたりの仲を疑い始める。
 嫉妬心を抑えられないレオンティーズに危険を感じたポリクシニーズは忠臣カミロー(原康義)の勧めに従い、急遽ボヘミアへ帰国し、ハーマイオニは臣下アンティゴナス(塾一久)の妻ポーライナ(藤田弓子)に匿われる。
 レオンティーズは生まれたばかりの王女パーディタをポリクシニーズの子だと思い込み、ボヘミアの荒野へ捨ててくるようアンティゴナスに命ずる。
 心労で幼い王子マミリアス(桐山和己/坂口淳)が急死し、ハーマイオニは自害したと伝えられ、レオンティーズは自分の過ちに気付き激しく後悔する。

 16年の歳月が流れる。ボヘミアの王子フロリゼル(長谷川博己)は羊飼い(六平直政)の娘パーティダ(田中裕子)と身分違いの恋に落ちて「羊の毛刈り祭」の最中に求愛をする。
 息子の相手を探る為に変装し、祭りに紛れ込んでいたポリクシニーズは「父親には婚約を知らせるつもりはない」と言うフロリゼルのひと言に激怒しその場を去る。途方に暮れる二人はシチリアへ駆落ちをし・・・。

【日程】 2009年1月15日(木)~2月1日(日) 全18回公演
【上演時間】 約3時間30分(休憩15分含む)
【会場】 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
【演出】 蜷川幸雄
【作】 W.シェイクスピア
【翻訳】 松岡和子
【出演】 唐沢寿明 田中裕子 横田栄司 長谷川博己 藤田弓子 六平直政 瑳川哲朗 下塚恭平 塾一久 高橋永江 ほか
【料金】 S席9,000円 A席7,000円 B席5,000円 学生席2,000円
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 最初、「コリオレイナス」のような悲劇かと思って観ていたので、あまり笑わないようにしていたのですが、実は喜劇でありました。そのことに途中から気が付いたので、後半は遠慮無く、笑わさせて頂きました。
 笑えるところは沢山ありますので、周りを気にせず、お笑い下さい。
 観客を廊下を飾る彫像に喩えて、舞台へ向かって通路を歩きながら、「今宵は美しい彫像が飾られている・・・」などと、わざとらしく言うシーンは笑えます。

 長谷川博己さんは「トーチソングトリロジー」、「AOI」、「シェイクスピア・ソナタ」、「カリギュラ」、「わが魂は輝く水なり」、「から騒ぎ」などで拝見していますが、貴公子の役が似合う方です。妙に色っぽいところや、わざと小指を立てたり、キザな台詞を言っても、さまになるところが素敵です。
 変装した父王ポリクシニーズ(横田栄司)を前にして、「ある方が亡くなられると、財産が手に入る」などと、しれっとした顔で言ってのける辺り、なかなか笑えます。

 田中裕子さんは今年54歳になられます。45歳の唐沢寿明さんの相手役はともかく、親子ほど年の違う、31歳の長谷川博己さんの恋人を立派にお務めでありました。田中裕子さんはハーマイオニとその娘パーティダの一人二役ですが、この二人が同時に登場するシーンでは、高橋永江さんがそれぞれのアンダー(代役)を務めています。

 下塚恭平くんは宮廷での従者と役人(衣装が違う)、祭りの際の村人として、「タンゴ・冬の終わりに」、「さらば、わが愛 覇王別離」、「ガラスの仮面」、「から騒ぎ」に続いて、5回目の蜷川作品出演です。そろそろ常連になってきたのでしょうか。
 今回はレオンティーズ(唐沢寿明)から問われて、王子マミリアスの様子を答えるシーンで、少し台詞があります。
 最近では、三浦春馬くん主演のドラマ「ブラッディ・マンデイ」第9話(2008/12/06)にベルボーイ(ホテルでテロリスト小林大助(谷口翔太)の荷物を持って部屋まで案内)の役で出演しています。

 ポーライナ役の藤田弓子さんも、旦那を尻に敷く、嬶天下という感じがなかなか面白うございました。

 レオンティーズ役の唐沢寿明さんは、ちょっと迫力と精彩に欠けたという感じでありました。他のキャスト同様に、もうちょっと砕けた感じで、悪ふざけに興じても良いように思いますが、少々真面目すぎる感じでありました。

 蜷川幸雄さんが客席後方のいつもの定位置から舞台をチェックしていらっしゃいました。頭を抱えたりしていましたから、色々とダメ出しをされるのかも知れません。
 最後に、平日の夜にもかかわらず、客席は、さすがに、ほぼ満席でございました。
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