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彩の国シェイクスピア・シリーズ「から騒ぎ」(彩の国さいたま芸術劇場 大ホール) 小出恵介、高橋一生、長谷川博己、月川悠貴、吉田鋼太郎、瑳川哲朗、下塚恭平 [演劇]

【解説】
 蜷川幸雄さんが演出/監修を担当する彩の国シェイクスピア・シリーズ第20弾、オールメール・シリーズ第4弾は、シェイクスピア喜劇の傑作『から騒ぎ』。
 シェイクスピアが戯曲を書いた時代の舞台形式を踏襲し、すべての役を男性俳優によって演じる。
 これまで、オールメール・シリーズとしては、『お気に召すまま』(成宮寛貴、小栗旬ほか)、『間違いの喜劇』(小栗旬、内田滋ほか)、『恋の骨折り損』(北村一輝、姜暢雄ほか)の3作の喜劇が上演されている。

【物語】
 パデュアの若き貴族ベネディック(小出恵介)と、メッシーナの領主レオナート(瑳川哲朗)の養女ビアトリス(高橋一生)は、共に辛辣な皮肉屋で似たもの同士、恋愛を馬鹿にして、会えば口論ばかりしている仲だった。
 ある時、ベネディックの主君ドン・ペドロ(吉田鋼太郎)が戦いに勝利し、凱旋の途中でメッシーナに立ち寄る。そこで、ベネディックの親友で、ドン・ペドロの寵愛(文字どおりの意味?)を受けるフローレンスの若き伯爵クローディオ(長谷川博己)が知事の跡取り娘ヒアロー(月川悠貴)に恋をしてしまう。
 ベネディックには勇猛果敢なクローディオの変心を理解できないが、ドン・ペドロは朴訥な彼に代わって、この恋をとりまとめる。さらに、ヒアローやレオナートも巻き込んで、ついでにベネディックとビアトリスをもくっつけてしまおうとする。
 しかし、クローディオらに恨みを持つドン・ペドロの異母弟ドン・ジョン(大川浩樹)がクローディオとヒアローの縁談を壊そうと企み・・・。

日程:2008年10月7日(火)~23日(木) 全19公演
  バックステージツアー:10月15日(水) ※アフタートーク:10月20日(月)

上演時間:約3時間(休憩15分含む)
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
演出:蜷川幸雄
脚本:W.シェイクスピア
翻訳:松岡和子
出演:小出恵介 高橋一生 長谷川博己 月川悠貴 吉田鋼太郎 瑳川哲朗 下塚恭平 宮田幸輝 千田真司 宮内克也 井出らっきょ 大川浩樹ほか
料金:S席 9,000円 A席 7,000円 B席 5,000円 学生席 2,000円
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【感想】
 開幕冒頭、客席後方から上半身裸の青年が走り降りてきて、舞台へ駆け上がり、そのまま3周ぐらい舞台装置の廻りを駆け回ります。誰かと思って、よく観れば、下塚恭平くんでした。戦場から凱旋するドン・ペドロ一行の先駆けとして、メッシーナ到着の予告をレオナートに伝えるという使者の役です。
 当時の使者は手紙を渡すことよりも、直接、口上を述べることが主なので、当然、台詞も沢山あります。

 下塚くんは「となりの守護神」以来、注目していますが、「さらば、わが愛 覇王別姫」(蜷川幸雄演出、東山紀之主演)では、その他大勢でしたから、今回はかなりの出世です。下塚くんは、今夏の「ガラスの仮面」(蜷川幸雄演出)にも出演していましたが、どうやら、蜷川さんのお気に入りの一人になれたようなので、今後とも蜷川作品に出演してくれるのではないかと期待しています。

 ベネディック(小出恵介)とビアトリス(高橋一生)は、実に良いコンビという感じです。
 高橋一生くんの女装は意外と似合っていました。小出恵介くんの方が女装は似合いそうな気もしましたが、月川悠貴さんが“女”を演じてしまうので、小出くんは、今回はやんちゃな少年の方が良いのかも知れません。
 小出くんは、コメディや喜劇が似合う役者ですが、割と真面目な役やシリアスな役だけでなく、隣のお兄さんのような目立たない役もこなし、オールラウンド・プレイヤーという感じです。

 それに比べると、クローディオ(長谷川博己)とヒアロー(月川悠貴)のカップルは微妙です。二人とも、自分大好きなナルシストという感じなので、結婚しても、旨く行かないだろうなぁと思えてしまいます。まぁ、領主クラスの婚姻は政略結婚ですから、それぞれ愛人を別に持てば、それで良いのかも知れませんが・・・。

 レオナート役の瑳川哲朗さんと、ドン・ペドロ役の吉田鋼太郎さんのベテランお二人について、今さら何も言うことはありませんが、吉田さんのクローディオ(長谷川博己)への接し方がとても可愛いのが印象的でした。戦場を駆け回る武将と言うよりは、乙女心を持ったひげ面オヤジという感じで、なかなか面白かったです。相手役の長谷川博己さんは妖しく艶っぽい色気を感じさせ、男女を問わず相手を惑わすタイプの役者ですから、なおさら良い感じです。

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