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今年の映画 [映画]

 今年、観ようかなと思っている映画は、こんな感じでございます。他にも沢山ありますけど・・・

「どろろ」 1月27日公開
孤独と絶望のなかで、彼らは愛と希望を諦めない
[監督]塩田明彦 [原作]手塚治虫「どろろ」
[キャスト]妻夫木聡、柴咲コウ 他
[配給]東宝

「幸福な食卓」 1月27日公開
「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」
父がそう宣言したのは4月の朝だった。
[原作]瀬尾まいこ [監督]小松隆志
[キャスト]北乃きい、勝地涼、平岡祐太 他
[配給]松竹

「墨攻(ぼっこう)」 2月3日公開
男は自らの信念を貫き、たった一人で10万人の敵に立ち向かう
[監督・脚本]ジェイコブ・チャン
[キャスト]アンディ・ラウ、アン・ソンギ 他
[配給]松竹

「バブルへGO!! タイムマシンはドラム式」 2月10日公開
7年ぶりになるホイチョイ・プロダクションズ
新作はタイムスリップラブコメディ!!
[監督]馬場康夫 [脚本]君塚良一
[キャスト]阿部寛、広末涼子、薬師丸ひろ子 他
[配給]東宝

「龍が如く 劇場版」 3月3日公開
この街では、憎しみも愛。
[監督]三池崇史
[キャスト]北村 一輝、岸谷 五朗、塩谷 瞬、サエコ、夏緒、加藤 晴彦、高岡 早紀
[配給]東映

「蒼き狼 ~地果て海尽きるまで~」 3月3日公開
オール・モンゴルロケ、総製作費30億円。
日本映画最大のエンタテインメント超大作、遂に始動
[原作]森村誠一 [監督]澤井信一郎
[キャスト]反町隆史 他
[配給]松竹


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映画「NANA2」 姜暢雄、本郷奏多、水谷百輔、丸山智己 [映画]

 前作から一部キャストを入れ替えて、原作により忠実なストーリーで制作したという「NANA2」ですが、このコンセプトは正解だったようです。

 松山ケンイチ(20歳)くんに代わって、シンを演じる本郷奏多くんは以前から子役として活躍していますが、成長するに従って、華奢な美少年という雰囲気が強くなってきました。特に細い腕が印象的です。
 ただし、本郷くんは未成年(16歳)なので、タバコとお酒が登場するシーンでは、手にはするものの口は付けません。この辺りはジャニーズ事務所に限らず、かなり厳しくなっているようで、未成年の飲酒、喫煙シーンは原作にはあってもカットされるようです。

 そういえば、昔は大学の新歓コンパなどで、未成年の一年生が急性アルコール中毒になり、病院に担ぎ込まれたり、死んだりするという事件がよくありましたが、最近は無いのでしょうか?

 松田龍平(23歳)くんから代わったレン役の姜暢雄(27歳)さんはモデルから舞台俳優、さらにテレビ、映画へと活躍の場を拡げていますが、包容力のある大人の男の魅力というのを醸し出しています。

 タクミ役の玉山鉄二くんは直前まで、映画「手紙」の撮影のために、短髪(五分刈り)にしていたので、鬘(カツラ)を被っての撮影だったそうです。時代劇はともかく、現代を舞台にした映画で、男性がカツラというのは・・・、珍しいかも知れません。

 ヤス役の丸山智己(31歳)さんは前作に引き続いての出演ですが、海坊主のような風貌と、意外と現実的で社会への適応性がある役をうまく演じています。主な登場人物の中では一番の常識人でありながら、ちっとも普通の人には見えない、妙な存在感を持った役どころにぴったりでしょう。

 ハチ公(ナナ)の妊娠が分かって、ナナとノブ(成宮寛貴)がうろたえるシーンでは、子供ができると困るから、毎回ゴム(コンドーム)を使っていた云々というノブのセリフがありませんでした。18禁映画でないと、「コンドーム」とかいう言葉は映画ではNGなのでしょうか。中学生の妊娠がTVドラマになって、高い視聴率を得るご時世ですが、性教育はなかなか難しいようです。
 また、シン(本郷奏多)の本業(前職?)はホスト(ヒモ、娼夫?)の筈ですが、そういうものを連想させるようなセリフやシーンはありません。これも未成年者が鑑賞することを想定した上での教育的な配慮というものでしょうか。

 ナオキ役の水谷百輔くんは、出番とセリフが少なく、宣伝用スチールにも載せてもらえていませんが、まだまだ、これからでしょうか。頑張っていただきたいものです。

NANA -ナナ- スペシャル・エディション

NANA -ナナ- スペシャル・エディション

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2006/03/03
  • メディア: DVD


NANA -ナナ- スタンダード・エディション

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  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2006/03/03
  • メディア: DVD


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映画「椿山課長の7日間」 伊東美咲、志田未来、成宮寛貴、西田敏行 [映画]

 天国の人にも同情されるような重大な事実を知らないままに、あの世に来てしまった椿山課長(西田敏行)が初七日までの3日間だけ現世に生き返って、知らない方が良かったかも知れない事実を知るという物語です。

 原作者の浅田次郎の作品の特徴は、悪人がちっとも悪人らしくなくて、むしろ善人にさえ見えてしまうと言うことでしょうか。悪事を美化するという訳でもないのですが、人が生きていく上では様々な事情があって、「水戸黄門」に代表されるような勧善懲悪ドラマのように、簡単に善悪を評することができないということをごく自然に、さり気なく見せるのが特徴でしょう。

 夫の部下と不倫関係になり、舅を邪険に扱う妻、上司の妻と親密になり、初七日が済まないうちに未亡人の家で寛いでいる愛人、あるいは怖い職業の方々など、本当は、かなりの悪党である筈の人達が必ずしも悪人に見えないところが不思議なところです。

 考えてみると、椿山課長は実に不幸な人です。最愛の息子は実は自分の子供ではなく、妻と愛人との間にできた、いわば他人の子供であり、男手一つで自分を育ててくれた父親と一緒に住むために無理して建てた筈の一戸建ての自宅には、ローンの支払いに追われて父親を住まわせることができず、長年、自分を慕ってくれた女性の気持ちには終に気が付くこともなく、ぽっくり死んでしまうのですから。

 そして、おそらくは自分の生命保険でローンの支払いを終えるであろうマイホームには、妻と愛人とその息子が三人で仲良く暮らすことになるのです。

 こう書いてしまうと、復讐とまではいかなくとも、恨み言の一つも言って死にそうなものですが、なぜか椿山課長は満足して、天国への階段を昇ってしまいます。そこには、単に椿山課長が特別なお人好しだからと言う理由以上に、何となく、まぁ、仕方ないかという諦めにも似た赦しの感覚があるように思います。
 ある意味、諦めると言うことは、己の不幸を嘆き、人を恨んで死ぬよりも、ずっと幸せなことなのかも知れません。

 伊東美咲さんと志田未来さんはドラマ「サプリ」でも共演していましたが、男勝りのキャリアウーマンと、年の割にませた生意気な子供というキャラは、この映画でも相共通するものがありました。宣伝文句に謳われているような美女、美少女とは、ちょっと違うように思いますが、これはこれで良いかなと思います。

 志田未来さんの「産んでくれて、ありがとう」というセリフは、思わず、現在、放映中のドラマ「14才の母」を思い出してしまいました。この映画が撮影されたのは今年(2006年)の4月から6月ということなので、多分、全くの偶然なのでしょうが、何となく感動してしまいました。

 成宮寛貴くんと伊藤美咲さんとのベッドシーンというのも観たかったのですが、未遂で終わってしまい・・・、ちょっと残念でした。

椿山課長の七日間

椿山課長の七日間

  • 作者: 浅田 次郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2005/09/15
  • メディア: 文庫


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映画「地下鉄(メトロ)に乗って」 大沢たかお、崎本大海 [映画]

 浅田次郎の小説は泣けるものが多く、中井貴一主演で映画化された「壬生義士伝」も泣けましたが、この映画「地下鉄(メトロ)に乗って」も泣けました。後半、小沼佐吉(大沢たかお)が地下鉄に乗っている長谷部真次(堤真一)に、ホームから敬礼するシーンの辺りから、ずっと泣けます。

 主人公、長谷部真次の父、小沼佐吉は戦後の闇市からのし上がり、一代で繊維関連の大企業を築いた男ですが、そこに至までの間、決してきれい事ばかりをしていた訳ではなく、かなりの悪事を重ねて来たような、いわゆる悪党です。

 「壬生義士伝」の主人公、吉村貫一郎(中井貴一)も、金のために人を斬り、人殺しを商売にするという、一見すれば、極悪非道な悪党ですが、単なる悪人ではなく、むしろ心の優しい、底抜けにお人好しで、悪いことなど、およそできないような善人という面も持つ人物でした。不器用であるが故に、幕末から明治へという激動の時代を旨く生き抜けなかった哀しい武士です。

 小沼佐吉は吉村貫一郎に比べれば、戦後の動乱期をはるかに旨く生き抜いて成功を収めるのですが、経済的な成功にもかかわらず、やはり、その不器用さ故に、家庭的には恵まれない不幸な人生を歩むことになります。愛情をうまく伝えることができず、暴力によって表現してしまうような、小沼佐吉は、そんな不幸な男です。

 ところで、映画のタイトル「地下鉄に乗って」は、「メトロに乗って」と読み、地下鉄に乗って過去へタイムトリップをしてしまうという設定を表しているのですが、この「地下鉄(メトロ)」という言葉も、なかなか切ないものです。

 真次(堤真一)の父、小沼佐吉の若い頃、出征前のあだ名が「メトロ」です。これは、地下鉄に乗るような金もない癖に、「毎日、地下鉄(メトロ)に乗ってる」と佐吉が見栄を張っていることをからかって、工場の同僚が名付けたと言うということですが、その嘘を知っている仲間達が出征前の最後の思い出に、と、皆で金を出し合って佐吉を地下鉄に乗せてくれます。生きて帰ることもないだろうから、地下鉄に乗ったという嘘をせめて死ぬ前に真にしてやろうということでしょうか。

 主人公の兄、昭一(北条隆博)が帝大、それも東京大学へ行くことに、佐吉がなぜ執着するのか、その理由にも泣けますが、それ故に、昭一が事故死してしまうと言う話にも泣けます。

 可哀想だから、という理由で、さして好きでもなかった佐吉のために、千人針を作ってあげたという真次の母、民枝(吉行和子)。
 帝大生の恋人(おそらくは戦死?)がいて、その子供まで宿していた民枝を満州の戦地から、命からがら帰還した佐吉が妻に迎え、産まれてきた子を我が子として育てるという話も、なかなか良い話ですが、だから、昭一には京大ではなく、東大へ行け、と訳も言わずに、ただ怒鳴りつけるだけの佐吉も実に泣けます。
 死んだ他人の子供を我が子のこどく育て、実父の夢を叶えさそうだなんて・・・、気恥ずかしくて、とても佐吉には言えないでしょう。

 知らぬこととは言え、妻子のある男性、それも異母兄の真次を愛してしまった軽部みち子(岡本綾)にも泣けます。

 最後に、母、お時(常盤貴子)の唯一の希望、愛する男、佐吉の子供(みち子自身)を産むという願いを奪い、自らの命をも奪って、真次の幸せを願う、軽部みち子の健気さにも泣けます。
 所詮、兄である真次と結ばれることがないのであれば、せめて愛する真次が家族と幸せな生活を続けられることを願うというのは・・・、いささか理解しがたい面もありますが、とても哀しい話です。

 ところで、長谷部真次の子供時代、小沼真次を演じているのは、崎本大海くんです。NHKの朝の連続ドラマ「わかば」主人公の弟、高原光役を演じていた少年も、もう二十歳の慶大生です。最近の俳優は、大学、それも慶応や早稲田といった一流校へ進学するようです。

地下鉄(メトロ)に乗って

地下鉄(メトロ)に乗って

  • 作者: 浅田 次郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1999/12
  • メディア: 文庫


地下鉄(メトロ)に乗って―特別版

地下鉄(メトロ)に乗って―特別版

  • 作者: 浅田 次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2006/07
  • メディア: 単行本


地下鉄に乗って

地下鉄に乗って

  • 作者: 浅田 次郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/10/13
  • メディア: コミック


壬生義士伝 上   文春文庫 あ 39-2

壬生義士伝 上 文春文庫 あ 39-2

  • 作者: 浅田 次郎
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2002/09
  • メディア: 文庫


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映画「美少年」 三池崇史監督 [映画]

 SM小説の大家、団鬼六氏の私小説「美少年」を三池崇史監督が映画化するそうです。

 主演の大学生、風間菊雄(若松菊香)役の少年はオーディションで選ぶと言うことで、現在、公募中です。

映画「美少年」主演オーディション
http://www.rakufilm.com/bishounen/

 主人公の風間菊雄は、日本舞踊宗家の御曹司という絶世の美少年で、男同士のラブシーンだけでなく、恋人の計略でヤクザに緊縛され、陵辱され尽くすという、かなりハードな役どころです。
 三池監督のことだから、半端な演技ではなく、かなり本気でヤルんでしょう。

 映画そのものよりも、どんな少年がこの役に応募するのか、そっちの方に興味が沸いてしまいます。

 話によると、日本だけでなく、フランスや米国などでも公開される可能性があるとか・・・。

 既に小野塚カオリにより、漫画化はされていますが、実写映画になると、さらに激しくなるのでしょうか。公開は、かなり先でしょうが、今から楽しみです。

 

美少年

美少年

  • 作者: 小野塚 カホリ, 団 鬼六
  • 出版社/メーカー: マガジン・マガジン
  • 発売日: 2005/03/31
  • メディア: コミック


美少年

美少年

  • 作者: 団 鬼六
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1999/10
  • メディア: 文庫


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映画「出口のない海」 市川海老蔵、上野樹里、塩谷瞬、黒田勇樹、香川照之 [映画]

 戦争映画と言うよりは、反戦映画に近いドキュメント映画という感じの作品です。
 有名な「神風」特攻隊は、零戦等の飛行機に爆弾を積むというものでしたが、この映画で、主人公の並木浩二(市川海老蔵)が乗り込む人間魚雷「回天」は93式魚雷に人が乗るという、およそ常軌を逸したとしか思えないような兵器です。

 爆薬を腹に巻いて戦車に突っ込む、イスラム教徒の自爆テロと、ほとんど変わりないと言って良いでしょう。
 攻撃が成功する確率は低く、訓練中や移動中の事故や故障で失われる兵士の数の方が実際に攻撃で戦死する者の数よりも多かったとさえ言われるような、とんでもない代物です。海軍上層部により、一度は却下されたアイディアと言うのも当然と思います。

 並木(市川海老蔵)は、終戦の前日、回天の訓練中に事故で死亡します。
 特攻に成功した戦友の戦果は、輸送艦の撃沈という地味なもので、俗な映画で見られるような戦艦や空母と言った主力艦を攻撃して、華々しく散っていったというような派手なものではありません。
 特攻というと、何か格好の良いもののようにも聞こえますが、そんなものではないようです。

 米軍の駆逐艦に追われて、何時間も息をひそめて潜行し、40℃近い暑さの狭い潜水艦の中で、ただひたすら耐えるだけというのは、陸にいる人には想像も付かない世界でしよう。以前、本物の潜水艦に乗せてもらったことがありますが、余りの狭さに驚きました。あんな鉄の棺桶みたいな所に閉じ込められて、魚雷に乗り込む時を待つなんて、およそ正気の沙汰とは思えませんが、それが戦争の持つ怖さ、狂気というものなのでしょう。

 戦争の悲惨さや残酷さを描いた映画は少なくありませんが、この「出口のない海」は、悲惨と言うよりも、いかに無常かを伝えている映画です。派手な戦闘シーンや、血塗れの兵士、痛ましい戦死傷者などは出てきません。
 ただ、死ぬためだけに必死に訓練に励む若い兵士を市川海老蔵さんが真剣に演じています。海老蔵さんは28歳と、大学生にしては少し歳を取りすぎてしまっているのですが、そんな歳を感じさせない若々しい演技でした。

 訓練の最中、教官が「操作を誤ると、死ぬぞ」と並木らを脅すシーがありますが、たとえ正確に操作しても乗員は確実に死ぬことになるのが回天という兵器ですから、こうしたセリフは冷静に聞けば、滑稽でさえあります。
 しかし、当事者達は、そのことに気が付かないというのは、その場の雰囲気、時代の流れというものの持つ怖さでしょうか。

 この映画は、かつて日本に「回天」という兵器があり、その回天に乗り込んで死んでいった者達がいたということを記録するために作られたものだということが良く分かる出来でした。

 並木の恋人、鳴海美奈子役の上野樹里さんは「のだめ、カンタービレ」や「虹の女神」などとは全く違う清楚な少女を演じています。ただ、この役は、樹里さんのキャラには合っていないようで、今一歩、印象が薄くなっています。「7月24日通りのクリスマス」でも見せたような3枚目の女の子という役が樹里さんには似合うのではないでしょうか。それでいて、王子様と結ばれても、なぜか、あまり違和感がないのが彼女の本来の魅力というものではないかと思います。

 金比羅さんの縁起を担ぐ、潜水艦の鹿島艦長役の香川照之さんも、色んな映画に脇役として登場していますが、なかなか良い味を出しています。香川さんは、父は歌舞伎俳優の市川猿之助(三代目)、母は元宝塚歌劇団の浜木綿子という血筋に加えて、自身も東京大学が心理学を学んだという異色の俳優です。
 ちょっと嫌味のある憎たらしい役から、物分かりの良い上司の役まで、何でもこなせるのは持って生まれた血筋によるものか、本人の努力によるものか、あるいは、その双方か・・・。

 名投手の並木浩二に憧れていた整備兵の伊藤伸夫役の塩谷瞬くんは、デビュー当時の長髪、王子様的なキャラとは違う、短髪の兵隊さんのキャラが結構馴染んでます。
 ウルルンでマラリアになった後、一時、姿を見掛けなくなっていたので、そのまま消えてしまうかと心配していましたが、どうやら大丈夫なようです。今後とも頑張っていただきたいと思います。

 並木と同じ野球部員の小畑聡(黒田勇樹)は乗船していた輸送船が撃沈されて、死んでしまいます。この映画では、およそ名誉の戦死というような美辞麗句とは無縁の地味で現実的な『戦死』が描かれています。
 また、特攻を志願しないというのも、ある意味、現実的でありました。
 小畑役の黒田くんの甲高い声は、あまり上手ではないけど、野球が好きという設定と合わせて、意外と良いキャスティングかなと思いました。


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映画「父親達の星条旗」 [映画]

 この映画は、戦争写真の傑作として有名な、硫黄島で星条旗を掲げる米軍兵士達の写真が実はやらせだったというショッキングな内容を扱っている割りには、インパクトの乏しい単なる戦争映画になってしまったハリウッド的な娯楽映画というところでしょうか。

 米国における有色人種、特にインディアン(ネイティブ・アメリカン)に対する差別や偏見なども取り上げられていますが、米国では当り前の情景とでも言うかの如く淡々と流していて、その点でもインパクトの乏しい映画です。

 さて、この映画が語るように硫黄島の英雄達が戦費調達のために、米国政府とメディアにより作られた英雄であったとすれば、硫黄島の戦いの持つ意味そのものも、実は作られたものではなかったのか、映画を観ながら、そんなことを考えてしまいました。

 米国政府・軍としても、7,000名の戦死者と22,000名の負傷者を出して、英雄達の決死の活躍により、ようやく確保した硫黄島が実は太平洋に浮かぶ単なる孤島に過ぎず、戦略的にはほとんど価値がないということなど、決して認めはしないでしょう。

 しかし、冷静に考えてみると、硫黄島の戦いは1945年2月16日に始まり、3月22日に一応の終結をみた後、3月26日の日本軍司令官栗林中将の戦死で公式には終わりますが、有名な東京大空襲は3月10日、まだ硫黄島で激戦が続いていた時期に行われています。

 硫黄島は、東京をはじめとする日本本土をB29が爆撃する際に護衛のためのP51戦闘機の発進基地として必要という話だったはずですが、実際にはP51の護衛が無くとも米軍は日本本土に対して大規模な爆撃を遂行することが十分に可能だったのです。

 また、損傷・故障したB29が不時着する基地として、重要という話もありましたが、日本本土から硫黄島まで1000キロ以上もの飛行ができた機体でマリアナ諸島まで辿り着けない機がどれだけあったか、いささか疑問を感じるところです。
 また、当時の日本周辺は制海権も制空権も米軍が掌握しており、仮にB29が洋上に不時着したとしても米軍、特に潜水艦により救助することは、それほど困難なことではなかったでしょう。
 海兵隊に30,000名弱の死傷者を出してまで、搭乗兵のための不時着地として硫黄島を確保する意味があったのでしょうか。

 一方、日本にとっても、米軍の沖縄侵攻はほぼ予定どおり3月26日に始まっており、必ずしも時間稼ぎに成功したとは言えないように思います。
 もともとヨーロッパ戦線でドイツ軍が壊滅したことから、欧州と太平洋、二正面作戦を展開していた米軍が対日戦に戦力を集中できるようになった時点で、時間稼ぎという戦闘目的さえも意味を失ってしまったと言えるでしょう。さらに、ヤルタでスターリンが対日参戦を約束したときに、ソ連を仲介とする対米講和も不可能となったと言えます。

 戦局を打開する見込みのない状態での何の展望もない持久戦ほど、無意味なものはないでしょう。

 映画の本題とは別のところで、色々と戦争について、人間の性について、考えさせられる映画でした。


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映画「夜のピクニック」 石田卓也、郭智博、池松壮亮、海老澤健次 [映画]

 映画「ラフ」で主人公大和圭介(速水もこみち)の友人、緒方剛を演じて、熱血スポーツ少年ぶりを見せていた石田卓也くんの主演映画です。

 「満身創痍」、「嫉妬」、「凜」
 これらは、映画の中で、西脇融(石田卓也)が難しくて書けないと異母妹の甲田貴子(多部未華子)に言っていた漢字です。
 確かにどれも難しいので、僕もきちんと書けません。特に最近はワープロに頼っていますから、読めても書けない漢字が増えています。
 兄妹が初めて交わす会話としては、ちょっと変ですが、高校3年生、受験生ともなれば、こんな感じになってしまうのでしょうか。

 父親が妻とは別の女と浮気をして、産ませた子供が自分と同い年というのは、子供として、なかなか微妙な感覚かも知れません。中学生、高校生ともなれば、どうしたら、子供が生まれるかを知らない訳でもないので、自分と母親と別の女性、二人の女性を同時に愛する父親のイメージというのは、なかなか微妙なものでしょう。

 この映画での良いところは、異母妹の甲田貴子(多部未華子)が可愛いことでしょうか。
 貴子に憎しみを感じる前に、融は貴子に可愛さを感じ、好意を持ってしまうのではないでしょうか。
 思春期の男の子としては、どう付き合ったら良いのか、距離感の捉え方が難しいだろうと
思います。
 最後のお堀沿いの道を二人が並んで歩くシーンは、見ていて、とても微笑ましいものでした。

 西脇融の友人で、恋愛はタイミングが大事と盛んに言っていた戸田忍を演じていた郭智博くんは、1984年生まれと、メインキャストの中では最年長、高校生を演じるには少し歳をとりすぎていますが、童顔なので、まだ大丈夫でしょう。
 友達の彼女を好きになってしまったという過去の経験から、融が貴子のことを好きなのだと勘違いして、遠慮をしていた優しい少年の役を自然に演じています。
 自分一人だけ、融と貴子が異母兄妹だと言うことを知らなかったことに気が付いて、俺だけ馬鹿みたいとちょっと拗ねてみせたりするシーンは、なかなか可愛く感じました。
 しかし、融と兄妹と知って、折角、貴子に告白したのに・・・、貴子に全く相手にされなかったのは、可哀想でありました。

 「夜のピクニック」の池松壮亮くんは、幼い・・・。
 2006年7月に公開された映画「UDON」では、高校生を演じていましたが、この「夜のピクニック」では、どう見ても中学生です。撮影時期を確認してみると、「夜のピクニック」は去年の8月、「UDON」は今年の4月に撮影されたようです。
 この時期の少年は僅かな期間で、随分と成長するもののようです。石田卓也くんは今年の春に撮影された映画「ラフ」の時と、あまり変わらないのに・・・。

 海老澤健次くんは、2カットのみの出演です。歩行会の途中で早々にダウンして救護バスに乗せられるシーンと、サッカー場のスタンドで内堀亮子(高部あい)と、仲良くしているシーンです。どちらもごく短いシーンですが、別途、DVD「ピクニックの準備」には、しっかりと出演しています。

 「夜のピクニック」、あまり期待せずに見たのですが、意外と面白い映画でした。僕の卒業した高校でも、毎年秋に「歩く大会」として、郊外の野山を30キロ余り歩く催しがあったので、ちょっと懐かしくなりました。それでも、いくら若いといっても80キロというのは尋常な距離ではありません。順位を競うなどと言うことよりも、落伍せずに最後まで歩ければ、それで十分という感じでしょう。

ピクニックの準備

ピクニックの準備

  • 出版社/メーカー: ハピネット・ピクチャーズ
  • 発売日: 2006/09/15
  • メディア: DVD


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映画「虹の女神」 市原隼人、上野樹里、郭智博 [映画]

 同時期に公開されている市原隼人くん主演のもう一つの映画「天使の卵」と比べてみると、「虹の女神」は脚本の出来の悪さを監督と役者が補ったという感じの作品でした。

 特に元Winkの相田翔子さんが演じる年齢詐称の森川千鶴と智也(市原隼人)とのエピソードは、全く不要という感じがしました。
 元々、映画にさしたる興味もなく、不器用で気が利かず、要領も悪いという、およそADには向いていないような岸田智也(市原隼人)が監督や先輩らに怒鳴られ、小突き回されながらも、映像制作会社を辞めずに働き続けているのは、米国へ留学した佐藤あおい(上野樹里)が日本に帰ってくるのを待っているからでしょう。
 それなのに、他の女と結婚などしてしまったら・・・、話が可笑しくなってしまいます。
 惚れっぽくて、次々と女の子を好きになるとは言え、恋が実ること少ない智也が押し掛けてきた千鶴と、いきなり一夜を過ごして、そのまま子供まで作ってしまうと言うのも、いかに智也が優柔不断とは言え、あまりに安直な展開と感じます。

 この映画「虹の女神」の中で、市原隼人くんの最も良い表情が見られたのは、大学の映画研究会の部室で、就職活動の状況をあおいに聞かれ、「苦戦してます」と答えたときのシーンでしょう。暗い室内から、窓越しに明るい外を背景に、やや逆行気味に映し出された智也(市原隼人)の表情が素敵でした。
 この映画は、映画らしさにこだわった良い映像を撮ると言うことに、監督が意義を見出しているように思えます。
 それに応える市原隼人くんと上野樹里さんの演技がなかなか良いなと思いました。

 「のだめカンタービレ」で、変人?or天才?、野田恵を好演している上野樹里さんは、佐藤あおいのような明るくタフで、働く女性というような役は適任かも知れません。逆に言うと、素直な恋愛ものは、あおいの妹、佐藤かな役の蒼井優さんに及ばないという感じです。艶っぽいという点では蒼井優さんの方が遙かに上でしょう。

 恋愛に不器用という点では、佐藤あおいも岸田智也も同じレベルという感じがしますが、銀行かどこかで普通のOLになることを考えていたのに、智也の一言で、趣味に過ぎないはずの映像の世界で働くことを選んでしまう当たり、あおいの一途さは智也よりも上のようです。

 米国留学の直前、「行くな」と言われれば、行かないと、あおいは智也に伝えますが、智也は「行くな」とは言わない。単に智也が鈍感で、あおいの恋心に気が付かなかったというよりも、気が付きつつも、米国で勉強した方があおいのためになると思えばこそ、敢えて引き留められなかったと解釈する方が物語に深みが出て、面白いでしょう。

 ところで、登場シーンは少ないのですが、智也(市原隼人)の同僚AD前田の役で、郭智博くんが出演しています。黒いセル眼鏡を掛けた、ちょっとオタクっぽい感じですが、先輩ADに怒られて困っている智也を自ら進んで助けてくれる、ちょっと優しいお兄さんの役です。
 「夜のピクニック」の時も、そうでしたが、郭智博くんには、ちょっと変わったところもあるけど、人が良くて親切な優しいお兄さんというキャラが似合っているかも知れません。


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映画「天使の卵」 市原隼人 [映画]

 同時期に、もう一つの主演映画「虹の女神」も公開されている市原隼人くんの主演映画「天使の卵」を観てきました。

 「ウォーターボーイズ2」や「陰陽師Ⅱ」で見せた屈折した親子関係の下での息子の役、あるいはデビュー作「リリイ・シュシュのすべて」や「黄泉がえり」の時の苛められっ子の役など、陰りのある少年の役で、なかなか良い演技を見せていた市原隼人くんが今回は割と素直な、恋する少年の役に挑戦しています。

 とは言え、精神を病んだ父親を持ち、母親は夫を愛しつつも他に愛人がいる家庭環境の中で、美大を目指す浪人生という複雑な役柄です。
 しかも、恋人の実姉に一目惚れして、一途な恋に走ってしまうばかりか、子供まで作ってしまうというストーリーです。

 また、「黄泉がえり」の時は自分を愛してくれた人を残して、そのことを知らずに自殺してしまう少年の役でしたが、「天使の卵」では逆に残されてしまう少年の役です。

 年上の精神科医、春妃に対する辿々しい喋り方も、顔で演技ができる市原くんならではの演技でしょうか。顔のアップを多用できる映画では、市原くんの魅力が十分に発揮されるようです。

 好きな人がいるのか、と五堂春妃(小西真奈美)に聞かれて、その春妃に面と向かって、「あなた以外に誰がいるっていうですか!」と叫ぶシーンが印象的でした。
 これからは、ストレートで純粋な少年(いずれは青年、成人)で活躍してくれることでしょう。まだ、19歳なので、これからが楽しみな俳優の一人です。

 話は変わりますが、歩太の父親、一本槍直規(北村想)の最初の主治医、山口先生(諏訪太朗)もなかなか良い味が出てました。精神科医は五堂先生や長谷川先生(鈴木一真)のように、ともすると、自らも心を病んでしまいがちなので、あのぐらいでないと、あの歳まで精神科医を勤められないでしょう。精神科医も意外と激務ですから・・・。

 それから、退院した夫、直規と向き合って、泣き出してしまう歩太の母、幸恵(戸田恵子)も印象的でした。心を病んだ夫を持った女の悲しさというのを感じさせられました。

 ところで、歩太と春妃が初めて出会ったのは、車内の中吊り広告に「第10回大都市交通センサス」(平成17年11月8日~17日の間に実施)のお知らせが掲示されていたことから、平生17年11月上旬、ということが分かります。他の乗客はエキストラのようですが、どうやら本物の列車をそのまま使って、ロケをしたようです。パンフレットに掲載された製作日誌によると、撮影されたのは平成17年11月18日のようです。

 歩太の父親が自殺するのはクリスマスの直前、クリスマスの日には落ち込んでいる春妃を手料理で強引に励ますのですから、本当に一目惚れということでしょう。

 そうすると、春妃が死ぬのは美大の合格発表の直後で、平成18年の3月、映画の「今」は、その4年後の平成22年(2010年)秋ということになるようです。
 映画の公開が平成18年の秋ですから、何となく不思議な感じです。


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