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パルコ・プロデュース公演いのうえmeetsシェイクスピア「リチャード三世」 古田新太、安田成美、榎木孝明、天宮良、川久保拓司、森本亮治 [演劇]

【物語】
 15世紀のイングランド、ランカスター家とヨーク家が王位継承を争う薔薇戦争は、ヨーク家が勝利し、エドワード四世(藤木孝/久保酎吉)が即位した。しかし、弟のグロスター公リチャード(古田新太)は独り野心を募らせる。
 まず、リチャードは“G”が頭文字の人間が王に災いをなすという「予言」を流布、かねてより、国王や王妃と不仲な次兄クラレンス公ジョージ(若松武史)をロンドン塔に幽閉し、さらに刺客(河野まさと、村木仁)を送り込み殺害させる。
 続いて、リチャードが殺した先王ヘンリー6世の葬儀で悲しみに暮れる皇太子未亡人アン(安田成美)の前に姿を現す。アンは義父と夫を殺したリチャードに侮蔑の言葉を浴びせるが、リチャードの巧みな甘言に騙され、彼との結婚を承諾してしまう。
 国王不在の宮廷で、王妃エリザベス(久世星佳)、その兄リヴァース伯(天宮良)、王妃の連れ子ドーセット侯(森本亮治)らと、王妃一族とは不仲のヘイスティングズ卿(山本享)、バッキンガム公(大森博史)、リチャードらがいがみ合う中、先王妃マーガレット(銀粉蝶)が現れて、人々に死の予言と呪いの言葉をかける。
 病床の王エドワード四世は、一度、処刑を命じたものの、後に赦免すると決めていた弟のクラレンス公が自らの命令により既に殺害されていたことを知り、強い衝撃を受け,悔い入りながら、この世を去る。
 エドワード四世の死を嘆き悲しむ王妃エリザベスと、その悲しみの生みの親は自分であると、訃報の知らせを嘆き悲しむ王母・ヨーク公夫人(三田和代)。
 王位継承者である皇太子エドワードと弟のヨーク公が戴冠式のためロンドンに戻って来る。リチャードは甘言を用いて、この幼い兄弟を母エリザベス后から引き離し、ロンドン塔に幽閉してしまう。また、王子らの後見人である侍従長のへースティング卿をも亡き者にする。
 その上で、バッキンガム公と策略を巡らせ、ロンドン市長(礒野慎吾)らに、エドワード四世と王妃エリザベスとの結婚は無効であり、二人の王子たちは正当な王位継承者ではないと主張し、念願の王位を獲得する。
 国王“リチャード三世”となったリチャードは王位安泰のため更なる策略を巡らす。バッキンガム公には二人の王子たち殺害を命じ、さらに彼は王妃アンが重病で死の床についているとし、エリザベスに彼女の娘とリチャードとの結婚を承諾させる。
 リチャードの冷たい仕打ちにバッキンガム公も自らの身の危険を感じ、謀反をおこすが、鎮圧され、処刑される。
 また、フランスに亡命していたランカスター家の王位継承者リッチモンド伯(川久保拓司)も、義父スタンリー卿(榎木孝明)の秘かな援助を受けて、ドーセット侯(森本亮治)らとともにイングランドヘ攻め込んでくる。
 イングランド各地でも反乱が起こり、リチャードは亡霊にも悩まされる。
 そして、ついに、リチャードはリッチモンド伯と戦い、腹心のケイツビー(増沢望)、ラトクリフ(西川忠志)らとともに殺される。リッチモンド伯は国王ヘンリー七世となり、ここに薔薇戦争が終結する。

【日程】 2009年1月19日(月)~2009年2月1日(日) 全17回公演
【料金】 S席¥10,000 A席¥8,000 (全席指定・税込)
【出演】 古田新太、安田成美、榎木孝明、大森博史、三田和代、銀粉蝶、久世星佳、山本亨、天宮良、増沢望、西川忠志、川久保拓司、森本亮治、逆木圭一郎、河野まさと、村木仁、礒野慎吾、吉田メタル、川原正嗣、藤家剛、久保酎吉、若松武史
【翻訳】 三神勲
【演出】 いのうえひでのり
【企画・製作】 株式会社パルコ
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【感想】
 いのうえひでのりさん演出、古田新太さん主演による初のシェイクスピア劇「リチャード3世」です。また、安田成美さんは11年ぶりの舞台出演です。

 冒頭の独白シーンでは、グロスター公リチャード(古田新太)がのっけからド派手な衣装で登場し、マイクorボイスレコーダーに向かって喋ります。リチャードの言葉は、もぞもぞして聞き取りにくいのですが、舞台上に、いくつも設置されたディスプレイに字幕が表示されます。
 さらに、クラレンス公ジョージ(若松武史)を引っ立てる兵士の姿は防毒マスクに自動小銃という出で立ちで、「装甲騎兵ボトムズ」か何かを思わせ、とても中世イングランドの歴史物語には見えません。

 ここまで観ただけでは、古典演劇を現代風にアレンジしたのかと思いますが、ストーリーそのものは至ってオーソドックスな内容です。上演時間の関係で省略しているところはありますが、割と原作に忠実に話は進みます。死んだはずの人が生き返ったり、原作に無いヒーローやヒロインが登場したりすることもありません。

 その一方で、古田新太さん演じるリチャード3世は、馬の代わりに電気三輪車?に乗って登場したり、紅白の小林幸子さん並みの女王様のよう衣装で戴冠式に臨んだりします。本来は陰湿な悲劇の筈の「リチャード三世」ですが、全体にコミカルなエンターテイメントに仕立て上がっていて、イングランドの歴史やシェイクスピアを知らない人や、初めてシェイクスピアを観る人でも楽しめるような内容になっています。

 川久保拓司くんは純白の衣装で、悪のリチャードを倒す正義のリッチモンド伯を演じます。他のキャラクタが原色使いの派手なものなので、ちょっと異質です。
 「ハロルドとモード」で共演した西島隆弘くんから川久保くん宛に、お祝いが届いていましたが、「ハロルドとモード」の時は真っ黒な衣装の神父様でありました。

 森本亮治くんは、王妃エリザベスの連れ子、ドーセット侯です。割と地味な役ですが、異父弟の二人が殺された後、フランスに逃げて、最後は、ちゃっかりリッチモンド伯と共に勝ち組に入っています。

 榎木孝明さんは、妻の連れ子であるリッチモンド泊を秘かに助けるスタンリー卿です。身勝手で傲慢な登場人物が多い中で、比較的堅実なのですが、意外と要領は良い人物です。

 天宮良さんは、3月に脇組の「BASARA」で、日本版のマクベスを演じることになっていますが、今回はドーセット侯の伯父、リヴァース伯です。こちらも、割と地味な訳です。

 豪華俳優陣という宣伝文句ですが、割と贅沢なキャストの使い方をしていらっしゃいます。
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【余談】
 ところで、イングランドの歴史を知らなくても、されなりに楽しめるのですが、多少は知っていると、またひと味違った楽しみが出来ます。
 例えば、リチャードが口説いて、妻にしてしまう未亡人のアン(安田成美)は、日本で言うと、戦国時代のお市の方や淀君のような人物です。

 物語の中では、ヨーク家と対立するランカスター家の国王ヘンリー6世の皇太子エドワードの妻として登場するアン(アン・ネヴィル)ですが、彼女は、ただの美しい未亡人ではありません。

 アン・ネヴィルは、王を決める者(キングメーカー)と称された大貴族、ウォリック伯リチャード・ネヴィルの娘です。
 また、姉のイザベル・ネヴィルは、後にロンドン塔で殺されるクラレンス公ジョージ(リチャード3世の兄)の妻です。
 アンの父、ウォリック伯リチャード・ネヴィルは、ランカスター派として、ヨーク家のグロスター公リチャード(リチャード3世)らと戦って、既に戦死しており、その後継者は娘のイザベルとアンのみとなっていました。

 つまり、未亡人となったアンと結婚した者は、故ウォリック伯の広大な所領と財産(兵力)を継承する権利を得られるのです。
 リチャードがアンを口説くのも当然でしょうし、この権利を巡って、後にクラレンス公ジョージとグロスター公リチャードが対立し、最終的にはクラレンス公ジョージの死によって、グロスター公リチャードがキングメーカーの地位を継承して、兄の国王エドワード4世をも凌ぐ力を得ることになります。

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「鉄人28号」(天王洲銀河劇場) 池田成志、サンプラザ中野くん、載寧龍二、永田彬、小野健斗、吉田友一、鈴木雄貴、西田佳づ美 [演劇]

【物語】
 2008年、彼方に高層ビルを望む、東京湾岸の埋立地。聞こえるのは吹き抜ける風の音か、野犬の遠吠えか。群生する黄色い花が波打つ中で、一人の盲目の老人(池田成志)が遠い日の思い出を歌い上げる。経済復興を経て、変容した首都の姿も、傍らにうずくまる赤錆びた巨大ロボットの姿も、その目には映らない。その耳に届くのは彼を追い立てる野犬捕獲人たちの怒声だけであった。
 1964年の埋立地。戦後の終焉を告げる国家イヴェント・東京オリンピックの前夜。首都には野犬狩りの嵐が吹き荒れていた。警察署長の大塚は戦後的なるものの一掃に狂奔。徹底的に狩り出され、収容される野犬、野良犬、無政府主義者、社会主義者、テロリスト、さらには立喰師まで…。野良犬たちに同情を示しつつも、これを支持する敷島博士は「鉄人28号」の調整作業に取り組む。そして、戦後的価値として純粋培養された美少年・金田正太郎は、鉄人の操縦訓練に励んでいた。
 そんなある日、東京最後の野犬「有明フェリータ」(雌犬)が捕獲された。テロリスト集団「人狼党」は、野犬収容所の襲撃と奪還を予告。しかし、その真の狙いは別にあった。それは、東京オリンピック阻止計画だ。野犬収容所襲撃は、その計画実行のために必要な正太郎を誘い出すための罠であった。
 人狼党のたくらみに巻き込まれた正太郎は謎の女立喰師・ケツネコロッケのお銀と出会い、自由な生き方と自分を愛することを知る。そして、人狼党の首魁・犬走一直の説く『野良犬の思想』になぜか心揺らぐ。何が正義で何が悪なのか自問自答する正太郎は、敷島博士から教えられた『正義』が見えなくなり、胸が張り裂けそうな思いに包まれる。

【原作】 横山光輝
【脚本・演出】 押井守
【出演】南果歩(2役)【金田正太郎】&【ケツネコロッケのお銀】、池田成志【敷島博士】、ダイアモンド✡ユカイ【犬走一直】、サンプラザ中野くん【大塚署長】、田鍋謙一郎【隊長】、藤木義勝【副隊長】、載寧龍二【隊員】、永田彬(RUN&GUN)【隊員】、小野健斗【隊員】、吉田友一【隊員】、鈴木雄貴【隊員】、西田佳づ美/西田りさ【東京五輪音頭】
【会場】 天王洲銀河劇場
【日程】 2009年1月10日(土)~25日(日) 全12回公演
【料金】 S席11,000円、A席8,000円 (全席指定・税込)<S席/1階・2階 A席/3階>
【企画製作・主催】 梅田芸術劇場
【公式HP】 http://www.mainstage.jp/top.html
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【感想】
 「鉄腕アトム」と並ぶ、往年の名作マンガ・アニメ「鉄人28号」を舞台化するなんて、不可能だろうと馬鹿にしていたので、全然期待せずに観に行ったのですが、意外と面白い舞台で、良い意味で予想を裏切ってくれました。11,000円の価値は疑わしいけど、8,000円ぐらいの価値は、ぎりぎり何とかあるでしょう。
 「鉄人28号」をテーマに吉本新喜劇と宝塚レビューをミックスして、押井守さんの感覚で関西風に仕立て上げると、こうなるのかぁという感じです。この調子なら、あの名作アニメ「機動戦士ガンダム」や「装甲騎兵ボトムズ」を舞台化することもできるかも・・・。

 女立喰師・ケツネコロッケのお銀(南果歩)というのは、何者なのか、さっぱり分からないが、犬走一直(ダイアモンド✡[ダビデの星]ユカイ)の説く『野良犬の思想』は、なるほど、そういう考えもありますね、という感じで面白い。もちろん、敷島博士の説く『正義』の方が全うなのだが、『正義』だけでは生きていても面白くない。「鉄人28号」も意外と奥が深いマンガです。

 さて、芝居の方は、冒頭の池田成志さんの歌がなかなか良い。
 また、西田佳づ美さんの東京五輪音頭も悪くない。唐突に櫓と提灯が出てきて、祭りが始まるが、古き良き時代の盆踊りというノスタルジックな感じがなかなか良い。
 ただし、サンプラザ中野くんの歌は、正直、今一。元「サンプラザ中野」さんも歳を取ったなぁという感じでありました。

 野犬捕獲隊その他で、いつも一緒の載寧龍二くん、永田彬くん、小野健斗くんの3人のコント?が程良い感じで、なかなか面白い。この3人は、それぞれ声に特徴があるから、喋るタイミングが重なっても聞き分けることができて、分かり易い。慣れれば、目を瞑っても誰が喋っているかが分かるようになる。この3人で漫才トリオを結成しても面白いかも。
 それにしても、まだ新人の鈴木雄貴くんは仕方ないとしても、吉田友一くんの出番が少なかったのは、ちょっと残念というか、可愛そう。真面目な感じの吉田くんには、こういうコントっぽいギャグコメディは不似合い・不得手か?

 高さ6メートルという鉄人28号、ただの張りぼてかと思っていたら、少しだけですが、ちゃんと動きます。

 「SAMURAI 7」で載寧龍二くんと共演したレイザーラモンHG(住谷正樹)さんから、面白い花輪?が届いていました。大阪にも飾るのかな?
レイザーラモン.jpg

鉄人28号 原作完全版 1  希望コミックス

鉄人28号 原作完全版 1 希望コミックス

  • 作者: 横山 光輝
  • 出版社/メーカー: 潮出版社
  • 発売日: 2005/11/28
  • メディア: コミック

 


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「UBAKURA うばクラ」(東京芸術劇場小ホール2、池袋) 植田圭輔、上杉輝、斉藤佑介、高橋光臣 [演劇]

【物語】
 女で一人で切り盛りしていた母親の急死で、東京から帰って来て、田舎の温泉宿「まるほん旅館」を経営することになったドラ息子、本丸惣太(高橋光臣)。
 旅館経営に都会仕込みの新しい感覚を持ち込もうとするが、旨くは行かず、従業員には逃げられて、残った従業員は、子供の頃、父親代わりに面倒観てくれた番頭、伊比山丈(川本成之)と、東京から無理矢理連れてきたバイトの先輩コック中村健司(柏進)の二人だけ。
 まるほん旅館は、温泉街随一の老舗で、その湯は恋煩いに効く特別な風呂というと言うことだが、宿泊客は昔ながら湯治客のお婆さん、よその(麻生美代子)と、得体の知れない若い男、楠木恒聖(小野健太郎)の二人だけ。
 本丸惣太と温泉組合の組合長とは、その昔、歌手を目指していた組合長の娘、マーシャル冴(浅川クミ)と惣太が駆け落ちした過去があることから、犬猿の仲。幼馴染みの同業者、瀧本伸太郎(恩田隆一)も、組合長に味方して、まるほん旅館に圧力を掛け、廃業に追い込もうとする。
 そんな四面楚歌の状態でも、惣太はイケメン従業員を集めて会員制クラブ、「うばクラ」を作り、起死回生を図ろうとするが、派遣会社の社員、平山浩(大谷典之)が連れてきたのは、いずれも一風変わった男3人と女1人、浦野直(斉藤佑介)、リョン・ウー(青木映樹)、門前翔子(植田圭輔)、青田みちる(上杉輝)。
 そんな中、心中を図ろうとするゲイのカップル恭本肇(尾形直哉)と高橋元信(肥田強志)がまるほん旅館を訪れて・・・。

【脚本・演出】 塩塚晃平
【期間】 2009年1月20日~25日 全8回公演
【会場】 東京芸術劇場 小ホール2、池袋
【出演】 高橋光臣、斉藤佑介、浅川クミ、青木映樹、植田圭輔、尾形直哉、肥田強志、上杉輝、小野健太郎(Studio Life)、麻生美代子、恩田隆一(ONEOR8)、大谷典之、川本裕之、柏進
【料金】 3,800円 全席指定
【問合わせ】 フリーエス http://free-es.net
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【感想】
 植田圭輔くんは、今まで子供や少年の役が多かったのですが、今回、ようやく大人?の役です。
 しかも、本当は女性だけど、男の名前「翔一」を名乗り、男の格好をしている女の子「門前翔子」で、こともあろうに、ゲイの男性、肇(尾形直哉)と恋仲になってしまうという役です。
 ひょっとしたら、設定上は、植田くんもとうとう童貞or処女喪失、やっちゃたのね、という感じです。

 「お気に召すまま」で、若き騎士オーランドー(小栗旬)に恋する娘ロザリンド(公爵の姪)を成宮寛貴くんが演じた時は、男装するロザリンドを男の成宮くんが見せてくれましたが、丁度、あんな感じです。
 さすがに、成宮くんのような艶っぽさは植田くんにはなく、ボーイッシュな女の子に終わってしまっていましたけど、これは致し方ないでしょう。
 それでも、肇と腕を組んで、いちゃいちゃする姿や、肇を「彼女」と呼ぶシーンは、なかなかお似合いでした。

 上杉輝くんは対人恐怖症で無口な調理師「青田みちる」役です。上杉くん本人は、キモさを出そうとしていたようですが、本人が思うほど、キモくはありません。どちらかというと、おどおどした感じが逆に可愛らしいぐらいです。
 よその婆さん(麻生美代子)に心酔する辺り、もう少し何か一捻りした表現ができれば、面白かったのだけど・・・。
 また、どこかで「バルス!」が飛び出さないかと、密かに期待していたのですが、残念ながら、ありませんでした。さすがに、この芝居で遊ぶのは上杉くんには難しかったか?

 川本成之さんは、実に良い感じの番頭さんでございました。

 高橋光臣さんの舞台を拝見するのは、「ダブルブッキング」以来の2回目ですが、今回は主役と言うことで、ほぼ出ずっぱりです。
 高橋光臣くん(ボウケンレッド)の芝居は、何となく三上真史くん(ボウケンブルー)に似ているなと言う感じです。

 柏進さんは、水谷あつしさんと共演すると、弟分ですが、今回は、高橋光臣くんの兄貴分で、一流レストランのシェフを目指す、ファミリーレストランのコック「中村健司」です。ただし、頼りないところは相変わらずです。

 小野健太郎さんは、一応、泊り客なのですが、色々と裏がありそうな温和しい男「楠木恒聖」です。サポート?で、帳場に立った姿は「執事ホテル」の時のバーテンダーみたいな感じです。
 ラストの黒いスーツ姿は、「マージナル」のメイヤード(青木隆敏)のイメージでしょうか。

 惣太(高橋光臣)に恨みを抱く青年「浦野直」を演じる斉籐佑介くんは、目付きの悪さが印象的でありました。
 カーテンコールの時など、普通にニコニコしていれば、さして怖くはないのですが、芝居の時の目付きは、なかなか恨みの籠もった恐ろしげな眼でありました。

 肥田強志くん(1985年生まれ)は、もっと若いのかと思ったら、意外と老けているというか何というか・・・。多分、年相応なのでしょう。1982年生まれの上杉輝くんが高校生を演じてしまうのが若すぎるのか?

 最後に、フリーエス[FREE(S)]の次回作は、5月に同じ東京芸術劇場小ホール2にて、「-新撰組異聞-PEACE MAKER」です。Takuyaくん、齋藤ヤスカくん、米原幸佑くんらが出演します。

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Nsquare 5th Produce「in fantasioso」(吉祥寺シアター) Luke.C、関戸博一、山本卓、原田明希子、藤原習作、森川次朗 [演劇]

【物語】
 盲目の弟(羽染達也)と共に雪女(山田キヌヲ)が住む山には、外国から流れてきた吸血鬼(藤原習作)と狼男(山本卓)たちが息を潜めて暮らす古い洋館があった。
 ある日、ゴシップ誌の記者(関戸博一)と悪霊払いを生業とする詐欺師(Luke.C)が「本当のモンスター」たちがいるとも知らず、この洋館にやって来て、モンスターを捕まえると豪語するのだが・・・。
 悠久の時間に飽き、人間との恋に破れた吸血鬼(森川次朗)たちは、人間が妖怪(雪女)を本当に愛することが出来るか、賭けをする。

 Down the Rabbit-hole, He is in ”fantasioso”. (ウサギ穴に落ちたら、そこは不思議の国)

【会場】 吉祥寺シアター
【日程】 2009年1月14日(水)~1月18日(日) 全7回公演
【料金】 全席指定:前売・当日共¥4,800(税込)、バルコニーシート:前売・当日共¥4,000(税込)
【出演】 Luke.C、関戸博一(Studio Life)、山田キヌヲ、羽染達也、山本卓(Afro13/エレキ隊)、矢部亮(BQMAP)、原田明希子(スーパーグラップラー/銀色金魚)、藤原習作(劇団め組)、森川次朗
【脚本】 園山古都錦(スーパーグラップラー)
【演出】 森川次朗(アウージ・キリアム プロジェクト)
【企画・製作】 ナノスクエア
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 「巌流島GANG」に続いて、森川次朗さんの演出による2回目のナノスクエア・プロデュース作品です。脚本は、「SHAMAN-BOY~小角伝~」の園山古都錦さん。「巌流島GANG」と「SHAMAN-BOY~小角伝~」には、森川次朗さんと共に川野直輝くんが出演しているのですが、今回は川野くんは欠席です。本当なら、川野くんは、今頃、「SUPER MONKEY ~西遊記~」の稽古が真っ最中の筈なのですが、残念ながら、公演中止となってしまいました。こんなことになるのなら、「in fantasioso」に出演できたのに・・・。
 ちなみに、森川さんと川野くんが共演したのは、永山たかしくんや及川健さんも出演していた「Rock'n Jam Musical Ⅱ」が最初かな?

 さて、この「in fantasioso (イン・ファンタジオーソ)」は、「不思議の国のアリス」と「夏の夜の夢」を「ヴァンパイア」と「雪女」が演じるような、ファンタジックな喜劇という感じの作品です。
 不思議の国へアリスを導くウサギは、新聞記者の関兎(関戸博一)、ウサギ穴に落ちるアリスは、詐欺師の有栖川(Luck.C)、ほれ薬を塗る相手を間違える妖精パックは、狼男の田中二郎(山本卓)、妖精王のオーベロンは、吸血鬼の山田一郎(藤原周作)といった感じです。

 主演はLuck.Cくんの筈なのですが、伯爵(仮名・山田一郎)の藤沢周作さんが圧倒的な迫力で、主役の座を奪ってしまっています。伯爵に仕える執事(仮名・田中二郎)の山本卓くんも、なかなか楽しく暴れてくれています。
 高確率で非人間側にいるという原田明希子さんは、今回は人間ですが、きびきびとした良い動きを見せてくれます。
 関兎役の関戸博一くんは本名は「せきど」ですが、役名は「せきと」です。関戸さんを知らない人には分からないのですが、関戸くんがむきになって、「セキ『ド』じゃありません、セキ『ト』です」と叫ぶ姿は笑えます。普段は「セキトじゃありません、セキドです」と行っているのですから。また、関戸くんは一瞬、ヘレナになって、Luke.Cくんと踊ります。

 Luck.Cくんは、ルドビコの「彩遊記」では紅孩児、清水順二さんの「NEN,GOO!~お江戸のスターが勢ぞろい」では宮本武蔵、そして今回は、雪女を愛する詐欺師、有栖川と、一見、悪党なのだけれども、実は、それほど悪い奴ではなくて、根は善良という感じの役を意外と上手くこなします。見た目が悪っぽく見えるからでしょうか。
 「風が強く吹いている」で、荒木宏文くんを観ていて、悪党に成り切れてないなと感じましたけど、最初から、本当は善人なんだけど、悪ぶってるだけですという感じが見えてしまうと、ちっとも面白くない。やはり、悪党は悪党らしくないといけません。
 その点、Luke.Cくんの場合は、最後まで詐欺師のままで行きそうな感じがしたし、実際、西園寺姉弟に対しては、最後まで詐欺師のままだった。そう言えば、比嘉中の木手永四郎も悪党と言えば、悪党であった。いつの間にか、剽軽になってしまったが・・・。

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「DUST」(新国立劇場小劇場、初台) 永山たかし、米原幸佑、佐藤雄一、古屋暢一、田上ひろし [演劇]

【解説】
 2006年に舞台化された「スイッチを押すとき」、2007年に映画化された「リアル鬼ごっこ」などの近未来SF小説の作者、山田悠介さんの小説「特別法 第001条 DUST」を舞台化。
 脚本、演出は2006年「スイッチを押すとき」(青山円形劇場)、2007年「スイッチを押すとき 再演」(新国立劇場小劇場)に続き、独特の世界観を持つ岡本貴也さん。
 舞台装置を最小限に抑え、360度全方位どこからでも見える舞台で、原作の持つ圧倒的な題材の面白さを若手俳優陣が小道具を一切排除したリアルな演技で見せる。
 アコースティック・ギターの生演奏に8人の生声が響きあうアコースティック・ミュージカル。

【会場】 新国立劇場小劇場 (新宿・初台)
【日程】 2009年1月14日(水)~27日(火) 全18回公演
【原作】 「特別法 第001条 DUST」(山田悠介・著/文芸社刊)
【脚本・演出】 岡本貴也
【出演】 永山たかし 米原幸佑(RUN&GUN) 渡辺夏菜 佐藤雄一(Pure Boys) 別府あゆみ 古屋暢一 田上ひろし
【音楽監督・生演奏】 暮部拓哉
【料金】 5300円(税込・全席指定)
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 暮部拓哉さんが奏でるアコースティック・ギターに合わせて、キャストが歌うと言うことで、アコースティック・ミュージカルと称しているようですが、きちんと歌えるのは、米原幸佑くんぐらいでしょうか。永山たかしくんも、ちょっと危なっかしい感じですし・・・。
 この芝居で無理に歌う必要もないと思うのですが、演出家の岡本貴也さんがミュージカルに挑戦したかったと言うことでしょうか。

 登場人物が次々と死んでいくor殺し合うというのは、原作が山田悠介さんの小説だから、当然としても、ニートはゴミだ、死んでも良いというのは、脚本家の岡本さんの本音かも知れません。前作の「斜塔」などを見ると、意外とエリート・選民思想が強い、保守的な価値観の持ち主なのかなという気がします。

 若いキャストに囲まれながら、田上ひろしさんがなかなか良い味を出していらっしゃいました。「YooSoRo!~日本を変えたヤツらを変えたヤツら~」で、大人?の将軍慶喜を演じた小宮孝泰さんのような感じです。
 田上さんは舞台で歌うのは初めてのようですが、何とか、こなしていらっしゃいました。

 Pure Boysの佐藤雄一くんは頑張ってるなと言う感じですが、まだまだ、これからでしょうか。3月に「彩られたモノ・クローン」(恵比寿エコー劇場)で、高橋優太くんと共演するそうなので、そちらも楽しみにしましょう。

 古屋暢一くんは元ジャニーズで、「ウルトラマン・ティガ」(1996年)にも出演していた、かなりのベテランですが、舞台を見るのは初めてです。

 所々に内輪受けのネタを仕込んだりしていましたが、演劇としては邪道でしょう。ネタを知っている人は笑えますけど、知らない人には、白けてしまいますから。

 永山たかしくんと米原幸佑くんが主役のような位置付けで、歌うシーンが沢山あります。二人で歌うシーンでは、米原くんの方が声に伸びがあって、なかなか良い感じですが、この辺りは好みの問題でしょうか。

 永山たかしくんは、段々と芝居がワンパターンになってきたように思います。熱血教師・青年という感じの役を演じることが多い所為かも知れませんが、もう少し色んな意味で、幅を広げた方が良いのではないでしょうか。たまには、悪役を演じる永山くんも観てみたいところです。

 米原幸佑くんは、最初、舞台に登場したとき、佐藤雄一くんと古屋暢一くんが大きいだけでなく、女性キャストも大きいので、やたらと小さく見えます。その割には、顔と口が大きいので、可愛い気と愛嬌があります。「マグダラなマリア」の時のように女装したら、男女を問わず7人のキャストの中で、一番綺麗かも知れません。

 そんな米原くんが顔に似合わず、陰湿な青年を面白く演じています。敵に対する冷たい視線と味方に対する優しい微笑み、露骨なぐらい対照的な的な演技は、まさに芝居が掛かってはいますが、なかなか楽しめます。思わず『女』って怖いなという感じです。
 意外と骨太で筋肉のある男の米原くんに、女の醜さみたいな面を演じさせる辺り、「斜塔」の時に垣間見せた岡本貴也さんの男尊女卑的な思想の現われなのかも知れません。

 倉田淳さん演出の2月の「フルーツバスケット」で、米原くんがどんな○○○を演じるか、今から楽しみです。
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彩の国シェイクスピア・シリーズ第21弾「冬物語」(彩の国さいたま芸術劇場 大ホール) 唐沢寿明 田中裕子 長谷川博己 藤田弓子 下塚恭平 [演劇]

【解説】
 彩の国シェイクスピア・シリーズ第21弾は、シェイクスピアが晩年に描いたロマンス劇『冬物語』です。
 猜疑心と嫉妬から始まった悲しみに閉ざされた冬の16年間、その後、歌と音楽が結ぶ、家族の離散と運命の再会、最後は幸せな大団円を迎える。

【物語】
 シチリア王レオンティーズ(唐沢寿明)は、幼馴染のボヘミア王ポリクシニーズ(横田栄司)がシチリアに滞在した折、帰国を引き止める妻の王妃ハーマイオニ(田中裕子)の言動から、ふたりの仲を疑い始める。
 嫉妬心を抑えられないレオンティーズに危険を感じたポリクシニーズは忠臣カミロー(原康義)の勧めに従い、急遽ボヘミアへ帰国し、ハーマイオニは臣下アンティゴナス(塾一久)の妻ポーライナ(藤田弓子)に匿われる。
 レオンティーズは生まれたばかりの王女パーディタをポリクシニーズの子だと思い込み、ボヘミアの荒野へ捨ててくるようアンティゴナスに命ずる。
 心労で幼い王子マミリアス(桐山和己/坂口淳)が急死し、ハーマイオニは自害したと伝えられ、レオンティーズは自分の過ちに気付き激しく後悔する。

 16年の歳月が流れる。ボヘミアの王子フロリゼル(長谷川博己)は羊飼い(六平直政)の娘パーティダ(田中裕子)と身分違いの恋に落ちて「羊の毛刈り祭」の最中に求愛をする。
 息子の相手を探る為に変装し、祭りに紛れ込んでいたポリクシニーズは「父親には婚約を知らせるつもりはない」と言うフロリゼルのひと言に激怒しその場を去る。途方に暮れる二人はシチリアへ駆落ちをし・・・。

【日程】 2009年1月15日(木)~2月1日(日) 全18回公演
【上演時間】 約3時間30分(休憩15分含む)
【会場】 彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
【演出】 蜷川幸雄
【作】 W.シェイクスピア
【翻訳】 松岡和子
【出演】 唐沢寿明 田中裕子 横田栄司 長谷川博己 藤田弓子 六平直政 瑳川哲朗 下塚恭平 塾一久 高橋永江 ほか
【料金】 S席9,000円 A席7,000円 B席5,000円 学生席2,000円
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 最初、「コリオレイナス」のような悲劇かと思って観ていたので、あまり笑わないようにしていたのですが、実は喜劇でありました。そのことに途中から気が付いたので、後半は遠慮無く、笑わさせて頂きました。
 笑えるところは沢山ありますので、周りを気にせず、お笑い下さい。
 観客を廊下を飾る彫像に喩えて、舞台へ向かって通路を歩きながら、「今宵は美しい彫像が飾られている・・・」などと、わざとらしく言うシーンは笑えます。

 長谷川博己さんは「トーチソングトリロジー」、「AOI」、「シェイクスピア・ソナタ」、「カリギュラ」、「わが魂は輝く水なり」、「から騒ぎ」などで拝見していますが、貴公子の役が似合う方です。妙に色っぽいところや、わざと小指を立てたり、キザな台詞を言っても、さまになるところが素敵です。
 変装した父王ポリクシニーズ(横田栄司)を前にして、「ある方が亡くなられると、財産が手に入る」などと、しれっとした顔で言ってのける辺り、なかなか笑えます。

 田中裕子さんは今年54歳になられます。45歳の唐沢寿明さんの相手役はともかく、親子ほど年の違う、31歳の長谷川博己さんの恋人を立派にお務めでありました。田中裕子さんはハーマイオニとその娘パーティダの一人二役ですが、この二人が同時に登場するシーンでは、高橋永江さんがそれぞれのアンダー(代役)を務めています。

 下塚恭平くんは宮廷での従者と役人(衣装が違う)、祭りの際の村人として、「タンゴ・冬の終わりに」、「さらば、わが愛 覇王別離」、「ガラスの仮面」、「から騒ぎ」に続いて、5回目の蜷川作品出演です。そろそろ常連になってきたのでしょうか。
 今回はレオンティーズ(唐沢寿明)から問われて、王子マミリアスの様子を答えるシーンで、少し台詞があります。
 最近では、三浦春馬くん主演のドラマ「ブラッディ・マンデイ」第9話(2008/12/06)にベルボーイ(ホテルでテロリスト小林大助(谷口翔太)の荷物を持って部屋まで案内)の役で出演しています。

 ポーライナ役の藤田弓子さんも、旦那を尻に敷く、嬶天下という感じがなかなか面白うございました。

 レオンティーズ役の唐沢寿明さんは、ちょっと迫力と精彩に欠けたという感じでありました。他のキャスト同様に、もうちょっと砕けた感じで、悪ふざけに興じても良いように思いますが、少々真面目すぎる感じでありました。

 蜷川幸雄さんが客席後方のいつもの定位置から舞台をチェックしていらっしゃいました。頭を抱えたりしていましたから、色々とダメ出しをされるのかも知れません。
 最後に、平日の夜にもかかわらず、客席は、さすがに、ほぼ満席でございました。
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「11人いる!」(シアターサンモール、新宿御苑前) 上野亮 [演劇]

 大河元気くんと林修司くんが出演するアクサル(Axle)の「11人いる!」を観に行ったところ、何故か、上野亮くんが独角兕(どくがくじ)の姿で日替わりゲストとして登場し、一暴れした後、3月のミュージカル「最遊記歌劇伝-Dead or Alive-」の宣伝をして帰って行った。

 このアクサルの日替わりゲストは、本編とは全く関係なく現れて、本当に勝手なことをして去っていくという不思議な存在である。
 「最遊記」はアクサルでも公演し、DVDも発売しているが、「最遊記」に限らず、上野亮くんはアクサルの舞台に出演したことはない。
 上野亮くんは映画「Dear Friends」(2007年)でデビューし、テレビ「仮面ライダー電王」(2007年)に三浦イッセー役でレギュラー出演も果たした田辺エージェンシー期待の新人である。初舞台は、昨年9月のミュージカル「最遊記歌劇伝-Go to the West-」なので、アクサルや共演者と特に繋がりがあるようにも思えないのだが・・・。

 ところで、この映画「Dear Friends ディアフレンズ」は、久保田悠来くんがクラブの常連客として初出演した映画と言うことで、正月にDVDを借りて観ていたのだが、結局、久保田くんがどこにいたのか、よく分からなかった。その代わり、上野亮くんの方は映画の冒頭、主人公リナ(北川景子)とベッドを共にする青年と言うことで、とても分かり易かった。
 同じ初出演でも、随分と扱いが違うものである。

 また、上野亮くんは昨年12月、TYPESの「ハムレット」に出演しているが、残念ながら、こちらは観に行っていない。
 KUMAMIくんや内藤大希くんらとともに映画「うた魂♪」に出演していた粕谷佳五くんも、この「ハムレット」に出演していたので、観に行っても良かったのだが、スケジュール的に、そこまで手が廻らなかった。

 ちなみに、TYPESの次回公演は、3月4日(水)~8日(日)、新宿シアター・モリエールにおいて、トラッシュマスターズの中津留章仁さんによる新作だそうです。
TYPES http://www.types.jp/index.html

タグ:上野亮
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「風が強く吹いている」(テアトル銀座、京橋) 黄川田将也、和田正人、渋江譲二、高木万平、高木心平、松本慎也、荒木宏文 [演劇]

【原作】 三浦しをん(新潮社刊)
【演出】 鈴木裕美
【脚本】 鈴木哲也
【出演】 黄川田将也/和田正人/渋江譲二/高木万平/高木心平/松本慎也(Studio Life)/鍛治直人(文学座)/瀧川英次/粕谷吉洋/デイビット矢野/伊藤高史/樋渡真司/近野成美/荒木宏文/花王おさむ
【企画・製作】 アトリエ・ダンカン イープラス
【日程】 2009年1月8日(木)~18日(日)
【会場】 ル・テアトル銀座
【料金】 7,500円(全席指定・税込)
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 マンガにもなっている小説「風が強く吹いている」の舞台版です。現在、小出恵介くんと林遣都くんの主演による映画版の撮影も行われています。

 さて、正直、あまり期待せずに観に行ったのですが、思いの外、面白かったので、休憩時間にリピーター・チケット(4,000円)を買ってしまいました。
 第1幕と第2幕の前半は陸上部の学生寮となっている竹青荘の中での物語で、雰囲気は「僕の東京日記」と「宝塚BOYS」を足したような感じです。奇をてらわず、比較的オーソドックスな演出も好感が持てます。キャストの個性を引き出しつつ、台詞と演技で見せるスポーツ青春物語という感じです。

 駅伝小説なので、一応、走るシーンもあります。休憩15分込みで、3時間の長丁場のうち、最後の1時間が駅伝シーンになります。一人が5分間、走ったとしてもとしても、10人で50分、結構、時間が掛かりますが、これが駅伝、長距離走というものなのでしょう。
 この走るシーンでは、ランニングマシンを舞台に置いて、その上で役者が走ります。たまに、よろけてましたけど、走りながらの台詞や演技は、結構、辛いかも。

 さて、今回の観劇の目標の一つは、高木万平くん・心平くんの一卵性の双子を見分けること。ON/OFFの坂本直弥くん・和弥くん兄弟のように二卵性の場合は、割と簡単ですが、一卵性の場合は見分けるのが大変です。
 これまで、一人ずつの舞台は、「ロストデイズ」、「義経」などで、何度か観ていますが、二人を同じ舞台で観るのは初めてです。

 開演前にパンフレットで予行演習し、「よし、大丈夫。見分けられる」と確認して、いざ本番へ。冒頭、まず、一人目が階段を降りてきたところで、これはジョージ(高木心平)だろうと思いつつ、もう一人の登場を待つ。二人が揃って、並んだところで、最初がジョージ、二番目がジョータ(高木万平)であることを確認して、本日の目標、クリア。
 と思ったら、銭湯から帰ってきた二人の区別が付かない。あれれ、と思っていたら、上着を取り替えて、二人が他のメンバーを騙してからかうシーンでありました。

 その後は、髪型を微妙に変えたり、腕時計を変えたりして、観客にも二人の区別が付くように配慮していたので、特に迷うこともなく、お二人を見比べさせていただきました。
 一人だけだと、さすがに、どちらか分かりませんが、二人並ぶと、微妙に頬が大きくて、顎が丸いのが心平くん。逆に、ちょっと頬が痩けていて、顎が尖っているのが万平くんです。また、喋っているときに、高い声は、ほとんど同じですが、心平くんの方が時々、少し低い声になります。

 映画版では、斎藤慶太くん・翔太くんの二人がジョータとジョージを演じるようですが、残念ながら、この二人は未だに区別が付きません。「王様のブランチ」でも、仕事の都合で、髪型や色でも変わっているときでないと、違いが分かりません。聞くところによると、たまに入れ替わっていることがあるとか・・・。

 主役の黄川田将也くんは、何度か台詞を噛んでましたけど、初舞台ですから、こんなものでしょう。正月休みに久保田悠来くんを見たさに、「ディア・フレンズ」と「仮面ライダー THE NEXT」を観たのですが、どちらも主演男優は黄川田将也くんでありました。身勝手で軟派なDJのお兄さんと、真面目で初心な理科の先生=正義の味方という映画の役を思い出しつつ、「ホワイトアウト」の金髪のテロリストが成長したなぁと感じたのでありました。

 和田正人くんは、今までになく、元気な姿を見せてくれました。D-BOYS最年長ですが、黄川田くんと並ぶと、19歳の少年です。

 渋江譲二くんは、怪我で降板した佐藤智仁くんの代役で、急遽、出演したわけですが、以前から、機会があれば、是非、渋江くんの舞台を観たいと思っていたので、佐藤くんには申し訳ないけど、なかなか貴重な機会でありました。それで、渋江くんを生で観た感想は・・・、ブログ http://yaplog.jp/shibue-jouji/ どおりの不思議な青年という感じであります。
 学生服か、スーツならば、もっと似合うだろうにと思ったりしたのであります。

 荒木宏文くんは、出番が少ないということもあるのですが、何となく物足りない感じです。「ラストゲーム」、「斜塔」に続いて、荒木くんの舞台を観るのは3度目ですが、最初の「ラストゲーム」が一番良かった。舞台よりも、映画・映像向きなのかも・・・。
 珍しく悪役っぽい感じのキャラなのですが、本当は純な青年という部分を意識し過ぎたのか、何となく中途半端な役になってます。もっとワルでも良かったように思いますけど・・・。

 松本慎也くんは、若手イケメン出演者の中で、最も舞台経験が豊富なせいか、最初は、むしろオーバー・アクション気味に感じましたが、ベテラン俳優らに混じると、それほど違和感もなく、マンガ好き、オタクな王子でありました。
 それにしても、自ら「王子」とか、「神童」などと名乗る辺り、竹青荘の住人は、やはり変わっています。

 その他、ロビーで、吉田隆太さんを見つめてしまって、ご挨拶。ソファに座って、パンを食べてる青年を「どこかで観たな? 誰だっけ?」、と思って観ていたら、思わず目が合ってしまいました。その瞬間、吉田くんだと分かり、「いつもライフの舞台で拝見してます」とご挨拶。しかし、「幕末太陽伝」も観に行きますと言えば良かったと思ったのは、客席に戻ってからでありました。この辺りの舞台?度胸は、Sさんを見習いたいところです。

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渡部紘士くんの握手&写真会(福家書店、新橋・銀座) [演劇]

 渡部紘士くんのサイン入り卓上カレンダーを買ったら、握手会への参加券がもらえたので、師走の寒空の中、握手会に行ってきました。とはいえ、さすがに渡部紘士くんと握手するためだけに、わざわざ1時間も屋外で待つ気にはならなかったのですが、観劇&ブログ仲間のSさんも参加するというので行ってきました。(寒さ凌ぎに、1時間余りの待ち時間の間、ひたすらSさんと喋ってました。)

 渡部くんの舞台を初めて観たのは、2007年1月の「テニスの王子様 ABSOLUTE KING 立海 feat.六角 ~First Service」ですが、立海のメンバーや、青学では桜田通くんや相葉弘樹くんが目立っていたので、その時の渡部くんの印象は余りありません。
 次に観たのは、2007年12月のオリジナルミュージカル「GIFT」ですが、この時は共演者で日本版「RENT」にも出演した白川侑二朗くんの歌とダンスが目立っていて、渡部くんは白川くんと同じくらい大きなお兄さんという程度の印象でありました。

 その後、事務所の移籍など色々とあったようですが、2008年は後半から本格的に活動し、8月初めにミュージカル「DEAR BOYS vs.EAST HONMOKU」、8月末から「マージナル」~砂漠編・都市編~(スタジオ・ライフ)、11月には「バタフライ・エフェクト」(Be With)、12月に「夏の夜の夢」(空間ゼリー)と、立て続けに出演しています。

 いずれの舞台も拝見していますが、正直に言うと、渡部くんの芝居は、それほど面白くはありません。図体がでかい割には愛嬌があって可愛らしいので、少々大袈裟でくどい芝居をしても、そこそこ観られるのですが、今一歩、迫力や魅力に欠けるという感じでしょうか。

 そんな渡部くんですが、毎回、終演後にロビーで、自分の写真集やカレンダーを自ら声を張り上げて、「渡部紘士の○○○はいかがですか」と売る姿が実に健気です。つい、一つ買いましょうという気になってしまいます。と言うわけで、寒空の中、握手会に行くことになる訳です。ついでに、FCにまで入会してしまうことになりそうです。

 渡部紘士くんの次回出演作は、2009年1月末、「幕末太陽伝」(Be With)で、坂本龍馬の役だそうです。お調子者で、誰とでも仲良くなれる坂本龍馬というイメージにはぴったりですが、癖のある個性派揃いの共演者に負けないように、しっかり存在感を示して欲しいところです。まさか、映像出演の久保田悠来くんにまで負けると言うことはないと思うけど、ちょっと心配です。
タグ:渡部紘士
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マリア・マグダレーナ来日公演「『マグダラなマリア』~マリアさんのMad (Apple) Tea Party~」(シアターアプル、新宿) 湯澤幸一郎、藤原祐規、齋藤ヤスカ、津田健次郎 [演劇]

【解説】
 数々の舞台で活躍してきた俳優・湯澤幸一郎がプロデュースするウィーンの高級娼婦マリア・マグダレーナ。
 彼女を主役に、湯澤幸一郎が太鼓判を押す個性派俳優たちが集結!
 芝居・歌・トークなどなど、大人なお嬢様限定(!?)のエロティシズムと耽美にあふれた舞台!!

【物語】
 ウィーンの娼館、魔愚駄裸屋の主にして、歌手であり、女優であり、自らも高級娼婦であるマリア・マグダレーナ(湯澤幸一郎)は、初の来日公演への準備に余念がない。
 しかし、日本に送り込んだ電々通クリッパラ(藤原祐規)の報告により、日本でのマリアの知名度がゼロに近い事が判明!
 さらに、ウィーンに帰国したクリッパラと共に日本から紛れ込んで来たサムライ(市瀬秀和)が魔愚駄裸屋で大暴れ。
 そんな騒ぎの中で進むマリアの暗殺計画・・・、そして、執事(小林健一)の急病。
 マリアは、娼婦たち(津田健次郎、齋藤ヤスカ、米原幸佑)や常連客の男爵(KENN)、それに小間使い(永嶋柊吾)とサムライにクリッパラを引き連れて、日本へ。
 果たして、マリアの来日公演は成功するのか? マリアは無事にウィーンに帰れるのか? マリア暗殺計画の黒幕は?
 マリアさんのMad (Apple) Tea Party~の幕開け!

【期間】 2008年11月12日(水)~16日(日) 全9回公演
【劇場】 シアターアプル (新宿)
【脚本・演出】 湯澤幸一郎
【美術】 丸尾末広
【出演】 マリア・マグダレーナ(湯澤幸一郎) KENN 市瀬秀和 小林健一(動物電気) 米原幸佑(RUN&GUN) 永嶋柊吾 藤原祐規 齋藤ヤスカ 津田健次郎
【料金】 5,800円(全席指定/前売・当日共/税込)
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【感想】
 無駄にハイレベルな歌唱劇という表現どおりの舞台でありました。さすがに1回、5万円の値打ちは無いと思いますが、帝劇のミュージカル並みに1万3千円ぐらいの価値はあるでしょう。もう少し歌曲が多ければ、「夜会」並に2万円の価値があるかも。いずれにしても、初日から楽日まで、毎日1回ずつ、計5回(計29,000円)ぐらいなら、お金を払って観に行っても良かったかと思う。

 幕開け前、冒頭のハンス(永嶋柊吾)の歌は、なかなか良かったのだけれども、10月のcaccinica演奏会で、湯澤さん自身が歌い上げるのを聞いてしまっていたので、初日に聞いたときには、さすがに、ちょっと頂けなくて、これがあの曲?、と思ってしまった。それでも、4日目に聞いたときは、ああ同じ曲だ、と思えるようになっていたから、永嶋くんの才能もなかなかのものです。
 芝居も、前回、観た「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」の時に比べて、随分と、こなれてきた感じがして、今後が楽しみです。何しろ、まだ10代、齋藤ヤスカくんを年増扱いする歳ですから。(10代と言えば、「ガラスの十代」か?)

 今回、驚いたのが齋藤ヤスカくんの女装です。本人も気に入っているようですが、あれほど似合うとは思いませんでした。「テニスの王子様」の時は、ショートパンツで細い足を晒すのが恥ずかしいと言っていましたが、今回は、細くて長い手足がとても綺麗でした。同じく娼婦ローズマリーを演じる米原幸佑くんが骨太、筋肉質で、手足が太いだけに、余計に女っぽく、娼婦っぽく見えてました。
 それに、意外と歌が上手いのにも驚きました。齋藤ヤスカくんは、こんなに歌える役者だったっけ?、アクション俳優じゃなかったの?、という感じでございました。さすがに、湯澤さんが目を付けただけのことはあります。
 芝居の方も、性悪な淫売女を明るくお茶目に演じてくれました。劇中、一番の悪役ですけど、美人は何をしても許されるという感じでありました。自分の若さと美しさを知っていて、それを利用することに何の躊躇いもない身勝手で我が儘な娼婦クララ(齋藤ヤスカ)。そのクララに唯一、興味を持たない、年上嫌いのハンス(永嶋脩吾)。しかし、そのハンスも最後にはクララとキスしてしまう・・・。なかなかに魔性の女でございました。

 一方、津田健次郎さんが演じる娼婦グレースは、まさに大人の女です。ノーテンキで抜けてるところのあるマリアに代わって、魔愚駄裸屋の実質的な主人みたいな役どころです。「グフフ」という笑い方が素敵でした。

 KENNくんは、所詮は、お坊ちゃんの男爵。最後は、クララに騙されて、無一文という、とんだ道化の役です。芝居はともかく、歌はなかなかお上手です。

 市瀬秀和くんと小林健一さんは、ほとんど歌わなかったと思いますが、それぞれ、とつても諄い演技とパフォーマンスで楽しませてくれました。特に小林さんは、幕間で「ケンコー全裸系水泳部ウミショー」の時、以上に弾けていらっしゃいました。市瀬さんの黒田節も、なかなか宜しいかと思います。

 米原幸佑くんは、意外と女装が似合わないと言うことが分かりました。小柄で可愛い顔をしているのですが、骨太と言うよりも筋肉質なので、ドレスを着ると女の子に見えません。逆に身長がもっとあれば、大柄な女という感じで、多少、筋肉質でも良いのでしょうが、この辺りのバランスは難しいところです。あるいは、ボーイッシュな格好をしたら良かったのかも・・・。
 歌も思ったほどではなく、期待していた割には、ちょっと残念でした。やはり、吉本興業の人使いが荒過ぎるのでしょうか。
 芝居も、ちょっと態とらしくて、今一でした。10月の「YooSoRo!~日本を変えたヤツらを変えたヤツら~」の時は、なかなか良かっただけに、残念です。女性と言うことを意識し過ぎたのでしょうか。

 最後に、今回、初めて芝居を観ましたが、藤原祐規くんは、なかなか面白い役者です。声も動きも悪くないし、次回は、コメディではないシリアスな芝居を観てみたいところです。
 ところで、藤原くんは、シアターブラッツで公演中の「MURAISM」に出演しているYOHくんと、ZEROというユニットを組んで活動しているようです。12月7日(日)にクリスマスイベントをするそうですが、残念ながら、都合が付かないので、来年の「君の先」辺りで拝見させて頂きたいと思います。
 と、ここまで書いていて、YOHくんは、根本正勝くん、中村誠治郎くんらと共に神楽党であったことに気が付きました。中村くんは、YOHくんのスーツ姿を見て大笑いしたそうですが、あれはスーツを着ていなくても笑えます。

七面鳥

七面鳥

  • アーティスト: 湯澤幸一郎,福嶋俊
  • 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
  • 発売日: 2004/12/08
  • メディア: CD



赤いカバン

赤いカバン

  • アーティスト: Caccinica,Caccinica,湯澤幸一郎,沢田完,堀米拓哉
  • 出版社/メーカー: ネオプレックス
  • 発売日: 2003/04/16
  • メディア: CD



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